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 その部屋に入った。自由に家の中を動き回る事ができたから、どうやら上手くセンサーを反応させてその部屋の扉を開いたみたいだ。ウサギってそんなに賢いイメージがなかったけど……ちょっと見直した。

 これは記憶だからね。私は見てるだけで、何もここに干渉はできないのだ。干渉できるのなら、このウサギの体を操るよ。でもそれはできない。だって過去は確定してるからね。

 でも流石にのんびりとこの子の過去をゆっくりと眺める……程に私は悠長でもない。だからその時まで早送りにした。そして「お、ここかな?」――ってところで止めたらビンゴだった。


「これって……文明が滅んだのはこれのせい?」


 そこには確かにサンゴがあった。部屋いっぱいに侵食してる珊瑚。その発生源は……人だった。珊瑚化した人。その人が天井の珊瑚からベリベリと剥がれ落ちるように逆さ吊りで現れる。


『〇〇〇〇、〇〇〇〇〇〇〇〇、〇〇』


 なにかいってくる。恍惚な表情をしてるから、愛でてるのかもしれない。けど不気味だ。だってなんかパキパキという音がしてるよ。動くたびにさ。ウサギは驚いたのかピョコピョコと動いて扉の方に向かう。

 けど扉は開かない。


『〇〇〇〇、〇〇〇〇」


 迫ってくる珊瑚人間。そして……真っ暗になった。


「うお……」


 バババババ! ババババババババババ!!


 そんな激しい音が聞こえた。さらにばぁん! と扉を蹴り開いて入ってきたのは、強化外骨格みたいなのを着込んだ人たち。背中と両腕に大口径の武器を積んでる。そして……


『〇〇!! 〇〇!』


 慌ててる? いや集まってきた。そして、どっしりと構えて、背中側のコンテナがこっちを向く。そしてそれから発射される無数のミサイル。建物とともに、一緒に吹き飛んだと思った。

 けど……珊瑚に包まれた者達は驚異的な力を秘めてるようだった。それから繰り広げられて行ったのは珊瑚人間たちと、文明と科学を持った者達の戦争だった。そしてその戦争の果てに、勝ったのは科学側だった。


 ウサギはどうやら捕まったみたいだ。最期の珊瑚の力を宿した存在として、ウサギは研究対象となったのだ。

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