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「キュッキュッ!」
実際ウサギがなんて鳴く? なんてのは私は知らないが、まあかわいい声を出せばいいだろうってことで「キュッキュッ」と鳴かせてみた。この形で「もーもー」と鳴かれても……ね。可愛さが半減しちゃうじゃん。
実際は違うとしても、そんなのは今はどうでもいいのだ。だって内部に仕込んだスピーカーからこっちが意図した音を出すことができるんだからね。だからなるべく可愛らしいのがいいだろうってことだ。
雪うさぎは両手を合わせた手のひらに乗るくらいの大きさにしてみた。10から13cm程度ってところだろう。白く丸っこくて、赤い目がくりくりとしてる。そして2つの耳がピンとしてるのだ。
そんなのがちょこちょこ歩いてる。
「わああああ!」
食いつくかどうかわかんなかったけど、どうやらウサギな彼女は食いついたみたいだ。その目をキラキラとしてる。でも抱きかかえる……とかはしない。同じようにによつんばいになる。でも圧倒的にウサギな彼女の方が大きいからね。
なんとか目線を合わせようと、彼女はその大きな尻を持ち上げて、顔をなるべく床に近づけてる。これが扇状的な女性なら、いやらしさ満点だった。テンション上がってるのか、お尻フリフリまでしてるしさ。
そんなの女の子なんだからだめって教えてあげないといけないだろう。勇者は真摯だからそっちには視線を向けないけどね。やり取りをしてるウサギな彼女と白ウサギを微笑ましくみてる。
ウサギな彼女はどこから声出してんの? みたいな低めな声を出してる。威嚇してるわけじゃなさそうではある。だって嬉しそうだしね。
これはあれか? 同じ音をだした方がいいのだろうか? ほら動物って音で仲間を見分けるとかなんとか……
「そんなことを聞いたことがあるようなないような?」
G-01の中にある情報にはそんな生き物もあるとある。ならばこれもそうなのかもしれない。キュッキュッ言っても彼女は変な声を出し続けてるし……最期の一歩、触れようとはしてこないのは、ウサギ的な習性なんだろう。仲間だと思えないと触れないみたいな?
だから私は彼女の発してる声を科学的に分析して、模倣して白ウサギから発してみた。すると変化は劇的だった。その瞬間、彼女は白ウサギにその大きな身体を押し付けてくる。
体を擦り付けてきて、頬ずりまでしてくる。更には親愛の表現なのか、なんか耳を白ウサギの耳に器用に絡めてきた。なんかエロいんですけど!?




