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5秒というのは短いようで長いようで、でもやっぱりみじかった。あっという間といっていい。二人は頑張った。アイも勇者も……ね。そしてウサギな彼女も。彼女はただまっすぐに走ってただけだったけど、疑わないってのはなかなかにできないことだろう。
信じ切るって難しいことだと思う。だって何年も一緒にいた存在じゃないからね。ついさっき初めてあった存在だ。そんな存在をただ信じる? 普通はできない。普通ならね。けどウサギな彼女は多分単純なんだと思う。
人というよりも動物って感じが強い。彼女は自身の直感をただ信じる事ができるんだと思う。まさに野生の勘的にね。だから彼女は迷いなく銀の塔のウヨウヨとした部分に突っ込んだ。
無数の神の代行者である33222体の奴らはわらわらと押し寄せてたけど、それはアイと勇者の連携によって完璧に防がられてた。最期はそれこそこの世界その物を操ろうとしてた。
なにせ向こうは神。この世界の神だ。それだってできただろう。でも、こっちだっていろんな世界を渡り歩いてきた存在だ。様々なデータがあり、そして彼から受け継いだいろんなデータもある。それはG-01の世界の記録。それはとても、非常に助かるものだ。
神の妨害だって、今の私にはできる。空のでっかい目。それが世界そのものを変革して妨害しようとしてた。どういうことかという、世界を操作して、その距離を離すってやり方だった。
ただたどり着けないように、長く長く距離を離す。いや、離すというのは違うのかもしれない。距離を付け足す? みたいな。神だからね。そんな風に無法なことをやろうとしてた。
でもそこは私……いやG-01。外から見てた私たちは中と外でこの世界を解析してた。だからデータはある。外からの世界の干渉。もちろんそんな権限は私たちにはない。それがあるのはそれこそ神だけだ。
サンクチュアリを得たら、その世界への干渉権も得られるけど、私たちにはまだない。でも……無理やりハッキングすることはできる。無限に距離を稼ごうとする神に対して、こっちはその信号をブロックすることで防ぐ。
銀の塔のウヨウヨとした部分に手を伸ばすウサギな彼女。それがちょっとだけ触れた瞬間に、彼女の体が吸い込まれるように消える。存在が消えたことを感じ取ったのか、神が叫ぶ。そして世界が崩壊しだした。こんな世界なんてもういらない!! ってかんじなのかもしれない。
世界に取っては迷惑極まりないが、そんな世界に巻き添えを食らうわけにはいかない。
「先に!」
そんなレディーファーストが最期までできる勇者。だからモテるんだろうなって思った。
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