129
勇者たちは33222体の神の代行者から逃げてる。要所要所で邪魔な神の代行者を吹っ飛ばしつつ、その歩みをとめることはない。とりあえず二人はウサギな彼女のサポートに全力を出してるみたいだ。彼女にはただまっすぐに走るだけを求めてる。いや、一応避けてはいるけどね。
でもとりあえずそのスピードを緩めないことと、振り返らないことを言い聞かせて走らせたようだ。そしてウサギな彼女はそれを忠実に守ってる。彼女は神の代行者に手をだすことはしない。実際サンクチュアリを保持してるからそこそこ戦えるんじゃないだろうか? とは思う。でもそれは一対一とかもうちょっといけても一対三とか? そのくらいだろう。
けど相手は33222体だ。もちろん一人でそれを負担することはない。だって勇者とアイがいるからね。三等分だ。けど三等分にしたとしても、その数は膨大だ。当然、さすがにウサギな彼女ではその数を相手にすることはできない。
いやそれはアイも勇者も同様だろう。さすがに33222体……その三等分だとしても二人にだって厳しい。いや無理だ。今だって一体もその数を減らせてないし? だからなんとかその攻撃をいなして、ウサギな彼女を守って、さらには拡散攻撃でいやがらせをしてるって感じだ。
ウサギな彼女は飛び跳ねるようにピョーンピョーン! と移動してる。音で聞くと遅そうだけど、実際は上というよりも前にはねてるからそのスピードは空気を切り裂くように進んでるせいでソニックウェーブが起きるほどの速さである。
これなら数分でつきそうだ。乗り物とか使うよりも速い。でもそれでも神の代行者を置き去りにする……とかはできない。そのくらいのスピードは普通……ではないにせよ、対応できないわけはない。勇者たちだって並走してるからね。
それに勇者たちは並走してるだけじゃなく、実際神の代行者と戦ってるからね。ただ移動してるだけのウサギな彼女とは違う。でもそれが彼女の役目……だからね。私はひそかに「がんばれがんばれ」と温かい目で見てる。
もちろんさぼってるわけじゃない。ちゃんとルートの選定をしてるし計算だってしてるからね。ウサギな彼女のサポートは私はほぼここからではできないが、アイと勇者のサポートはしてるのだ。私は神の代行者たちを動きを全体でとらえることに専念してる。
そしてその大量の……33222体の動きをG-01によって予測してるのだ。それを伝えることで、アイと勇者をサポートしてる。




