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「まだ!?」

「まだですか?」


 ちょっとそんなに催促しないでよ。私のやる気が削がれちゃうでしょうが。ほら、日々の宿題なんかも「まだ宿題やってないの?」とか言われたら「これからやるところだったんだよ!」――とか言い返したくなるじゃん? それと同じだよ。

 過度な催促はその人のやる気をなくすからやめましょうね。まあ勇者はそこら辺気づかえるやつだから当初はアイが「早く!」「まだなの!?」「ねえ早く!」「ちょっと!」とか十回くらい言ってる間に一回くらい言うくらいだった。


 まったく合理性だけを重んじてるアイはもうちょっと人の感情って奴をおもんばかった方が良いよ。人には機械にはない「やる気」と「元気」があるのだ。それは精神性の問題でいくらその日のエネルギーが100%だったとしても、多大に効率に影響する部分なのだよ。

 機械ならエネルギーを十分に供給さえすれば、最低限の仕事は完璧にこなすことができるだろう。そしてちゃんと全てを完璧に用意したら、最大限の効率を発揮できる。それが機械化のメリットといえる。


 つまりは機械は最大効率と最低効率がコントロールしやすいのだ。それが一番のメリットといえるだろう。けど人はそうじゃないのだよ。最大のやる気の時は機械を超える効率を出すことだってできるけど、最低値はずっともっと機械よりも悪くなったりもする。

 それが人……いや生命というものなの。それをアイはわかってないよね。良いトップというのは下の奴らにやる気を出させてうまく最大効率引き上げさせる事ができるやつなのだよ。

 言う成れば今のアイはただガミガミと叱りつけるだけの上司と言える。ブラック企業の上司だよ?


「おい、その仕事まだやってんのか?」「こっちもやっとけ! 今日中だぞ!」「おわらない? それはお前がちんたらしてるからだろうが!」


 ――とかいってくるブッラク企業の上司だからね。そんなのダメダメだよ。やる気なんて上がってくるわけない。むしろ急降下だよ。わかってないわかってないね。


 まあ私には便利なAIではないが、最高の相棒で手足というかこの体そのもののG-01があるからそんなクソ上司に――


「ほらよ!!」


 ――と叩きつける結果が出来上がってはいるんだけどね。


『ルートを構築しました。転移の準備を』


 私は勇者たちにそう言ってあげた。


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