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 あの世界が雪に覆われて、何もないのに続いてる理由。きっとそれがあのウサギな彼女の存在だろう。あの貼りつている神はきっと魂を回収したいんだと思われる。こんななにも生み出せない世界なら、終わらせて新しい世界を始めたほうがいい。

 でもできない。なぜか? それは魂がないからだ。複数の世界を作れるほどの神なら、それだけ魂のストック? もあると思われるが、あの神はまだそこまでの力はないのかもしれない。


 一つの世界に全力投球の神なのかも。だからこそ、魂がないと新たな世界を創造することができない。そうなるとどうあっても魂を回収しないといけない。それならあんな風に張り付いて血眼になってるのも納得がいく……というものだろう。

 まあ世界の内側に干渉して掘り起こしてでも探せよって思うけど……多分それはできないんだろう。神は世界を創造はしてる。けどそこには神も犯せないルールが有るんだと思う。前にあった神も直接的には世界……に接触はしてなかったし? だって神ができるのなら、分解も構築も神がやればよかった。 

 でもミレナパウスさんの世界ではそれをやってたのは神ではなく鬼だった。ならば神の眷属的な奴を送り込めばいい……というだけではある。今のあの神はなんか理性が抜け落ちてそうだからね。

 そこまで考えが至ってない? それともあのウサギな彼女がそれだけうまく立ち回ってたとか? そもそもあの雲もなぞではある。気象ってある程度流れがあるはずだ。だって雨が降るのだってそういう流れがあるじゃん? まあ隕石が当たって粉塵がまったとか、噴火が原因で灰が空に漂うことで急激に地表の温度が下がるとかさ。そんな原因が普通はある。でも……ここは私の記憶にある世界とは違ってる。世界は丸くないし、世界と世界の間にある場所も宇宙とは違う。

 だから隕石とかね……多分ない。そもそもそんな隕石とかなら神が防げそうだし? ならば世界に火山があってそれが噴火したらこんな吹雪の世界になった……のほうが可能性としては高そうだ。

 でもざっと調べた結果、そういうことでもなさそう。噴火したのがずっと昔だとしても、空気中の成分をちょっと分析したら噴火の形跡くらいはわかる。空気中の成分なんすぐにわかるからね。

 でもそういう結果にはならなかった。つまりは噴火でもない。ならば、この吹雪自体がもしかしらこのウサギな彼女の仕業なのかもしれない。この雲を使って、あの神の目から逃れてる。


 今まではそれで良かった。なんとか逃げられてきた。でも……どうやら神も動くことにしたみたい。私が刺激したのがわるかったのかもしれない。


「光の柱が……」


 そんな風に勇者が呟く。同じ方向をアイもみてた。確かにそこには赤い光の柱が空から振ってた。そしてその中に、何やら不気味なシルエットが見えた。

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