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どうやら半端なウサギな彼女の内部にはそれこそ大量の、無数の、世界そのもの……といえるほどの魂が内包されてた。一瞬私はバグか? と思った。だってその数値がおかしかったからだ。確かに彼女はサンクチュアリを宿してるし、普通じゃないのは確か。
でもまさか……こんなことになってるとは。おかしな数の魂……それが輪廻とかに帰らずに彼女の中にある。なるほど……だ。
「これのせいでこの世界にはほかになにもいないんだ」
私はこの世界がこの彼女だけな事を理解した。だってすべての生命の命がここにある。この彼女の中に……だ。輪廻には帰らずに死と生が回ってない世界。その原因がこの目の前の半端なウサギな彼女。
そうなると……神がこの子を血眼になって探してるのももしかして……と想像がつく。
「この魂を探してるのかな? 返してほしいのかも?」
どうしたらこんなことになるのか……私はまったく想像もつかない。でも……事実として数値は嘘をつかない訳で彼女が無数の魂を内包してるのはそのけた外れの数値で間違いない。そして世界のすべての命を内包してるともいえる彼女を血眼になって探すその世界の神……うん、見えてたかもしれない。
さすがの神だって命をずっと生み出す続けることはできない。そもそも命の想像は神の神秘だ。G-01を作った人たちだって生物の交配とか、生殖活動をすることで命を増やすことはしてた。でも生み出してはなかった。それは領分ではなかったからだ。
いや、もしかしたら今もその人たちがいるのなら、今はもうその神秘を解き明かしてるまであるかもしれない。なにせG-01がどのくらい放置されてたのかはわかんないし? はっきり言ってこのG-01を作った人たちはすでに空獣によって滅ぼされてるか、それとも生き残ってるのか? は情報としてない。
だから私たちは今、その場所を探してる。サンクチュアリを得て、世界を渡る。それを設定したのはG-01を作った人たちだ。もしかしたら彼らはその先に、いつか自分たちの世界にたどり着くように設定してた……とは考えられないだろうか? なくはないと思う。
滅んでるにしろ、生き残ってるにしろ、何か残してある可能性は高いと思ってる。私たちはすでに選択権を得た。きっと同時に二つの世界を攻略するのは予定にないんじゃないかな? でも今や私たちにはそれができる。航路は今や、私たちの思いのまま。だから道を外れることは簡単だ。
もう外れてるともいえる。この選択だってそうだ。サンクチュアリを回収するのではなく迎えることになる? それでは力にはなりえない。私の糧にはならないのだ。でもサンクチュアリと大量の魂を有するウサギな彼女はとても特別な症例といえる。
神はもしかしたら私たちを追ってくるかもしれない。そうなったら困るけど……でも私はすでにウサギな彼女に興味が出てる。ただ見捨てる……なんて選択肢はない。




