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 取りあえずやれることはやるべきだろう。どうやらこのウサギな彼女は神から目をつけられてるみたいだし? 一瞬だけど、見られてしまったのだ。念には念を入れて私はドローンを使って空に特殊な粉末を噴出させてた。本当はこの世界の空すべてに……としてもいいが、そんな必要もないだろう。できないことはないけど……取りあえずなんか怒りに支配されてそうな神には思考力? ってやつがあるとは思えない。ならば重点的に一度見つけた場所を血眼になってみてると思われる。

 だからここの空からの視線を絶対に阻止する! という気概で集中して粉末を噴出させてる。この粉末は特殊な反応を起こして空に滞留し続けてくれる。なにせ簡単に風に流されたら意味がないからね。

 これでさらに時間が稼げるはず……まああの神がその長い腕を伸ばして来たらなんの意味もないんだけど……でも今までそれをやらなかったということはきっとやってこないだろう。多分ね。まあけど変化……にはきっとあの神も気付いてるだろう。


 そうなると……


「向こうも変化してくるかも」


 今までは干渉なんてなかっただろう。だって外から世界に干渉をする存在なんてそんなにいない。それはそうだよね。世界の外から干渉なんてふつうはできない。でも外から私がさっきからあの神にちょっかいをかけてしまった。

 何者かがあの世界に干渉してるのは明確だ。そうなると……『焦る』かもしれない。すると今までとは違う行動をとることだってあるだろう。


「早くしないとだね」


 ウサギな彼女の髪の毛を解析にかけて詳細な情報を私は得る。その中にちょっと気になる情報があった。サンクチュアリを神は狙ってる? ――とか思ってた。だってサンクチュアリくらいしか思いつかないってことでもあった。

 神に届きうる力ってなると、そのくらいだし? けどサンクチュアリは世界の救済システムみたいなそんなのだ。つまりは神のプレゼントみたいな? それなら神が簡単にどうにか出来るはずである。ならばあの神が狙ってるのはサンクチュアリではない可能性はある。


 つまりは……この彼女の異常……それが原因かもしれない。


「まって、このままじゃ転送できないよ」


 困った。彼女が特殊な構造体をしてるせいで転送できそうにない。けど一応ドローンにポータルは作らせておこう。解決策があるかもしれない。けどこれは……はっきり言おう。このままじゃ安全には彼女を転送できないのだ。だってなぜなら……彼女の内側には沢山の……無数の魂がその身にあるからだ。

 それらの情報を全部処理しろ? 無理無理。


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