表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
156/1563

65

 勇者と魔王がジャルバジャルへと向かって直ぐのこと、私はどうしよっかなって思ってた。足下には最近仲良くなった子供達がいる。適当に歩くだけでもこの子達を潰しかねない。だからとりあえず腕を使ってその子達を乗せたり、じゃれたりしてる。


「ポーニー」

「わかってるわよ」


 ポニ子が何やらいってくる。翻訳すると「危ないよ~」って言ってる。だからこそ分かってる。ポニ子の奴がそう言うのなら子供達に注意してくれば良いのだ。けどポニ子の奴は姿を現すと子供達のオモチャになるからね。まあ私や魔王とかと比べると、勇者よりも萌えみたい姿してるしね。大人はちょっと不気味に見えるみたいだけど、子供達にはポニ子が大人気である。


「グッズを作れば売れるんでは?」

「ポニポニ~!」

「冗談だって」


 ちなみに今のは『ゆるしません!』だった。せっかく小さな子達にマスコット的な人気になれればうはうはじゃんね。誰がウハウハかは分からないけど、そもそもこの世界にお金は……まあ有るみたいだけど、ここではそんな価値は感じないね。なにせ私はあがめられてるからね。こうやって子供達の相手もしてるし、良い神様……見たいな感じになってる。でも正直、あんまり良いイメージを持たれても困るところではある。だって実際、私は世界を救う気は無い。この世界のサンクチュアリを求めてるわけで、それが得られれば良いのだ。まあなんでそれを求めてるのか……実際よく分かってない。私の目的って実は何なんだろう? 勇者と魔王は元の世界に戻りたいらしい。いや、それは勇者だけか? 魔王は世界最強を目指してるみたいな感じだね。あいつはたった一つの世界にこだわってはない。


 でも勇者はやっぱり自分たちの世界にこだわってるところが有る。私はと言うと、どこに行けば良いかも実はよく分かってないからね。なんか空獣とかいう化け物からとりあえず逃げたい所ではあるけど……どこかでぶつかる気もするから、それに対抗できるだけの力が欲しいから世界を巡るついでにサンクチュアリでもてにいれようかなっな感じである。私はこの世界に興味ないし。いや、見てる分は楽しいけどね。でもこの世界で生きようとは思わないよね。過酷すぎるし。


カコン――


 そんな音が響く。何をされたかというと、私に向かって石が投げられたのだ。懐いてくる子供達が一杯居る中で、絶対に私に毎日石を投げてくる子がいる。褐色の肌に短い髪。男の子みたいな女の子。眼大してるその子は別に中二病ではない。実際にその眼帯の奥には目がない。そして彼女は私をどうやら恨んでるらしい。だからこうやって石を投げてくる。そして他の子供達に向かってこう言うよ。


「皆騙されるな! そいつは……そいつは悪魔なんだぞ!!」


 ってね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ