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「むむむ……回収できないようね」


 私はドローン越しにそんな事を教えてあげる。空間に干渉して時空を移動して船に戻そうと思ったんだけど……なにせサンクチュアリを保有してるウサギな彼女は勇者になついてる。これらな抵抗もすることなく、ついてきてくれるだろうってことでもうこの世界はいいかな? って思った。

 だから本船に戻そうとおもったんだ。でも……なぜかうまくいかない。既にリファーちゃんとかのおかげで私達は世界との移動を確立してる。実際世界を移動させるのはそれなりに準備が必要だ。だから一瞬で……というのは無理なのだけど……できるようにはなってる。前はそれこそ当てずっぽうというか? それこそギャンブルだった。どこに行くかの主導権がなかったからね。

 でもこの船とG-01世界の事が少しは分かったことで私達は選択権を得た。こちらが主導権を持ったのだ。これは大きい。これで危なくなったら撤退もできる。なにせ今の私達はこの船がある。今までの私達は世界を渡り歩く根無し草だったのだ。帰る場所……というのがなかった。

 でも今はこの船が私達の帰る場所になった。けどどうやらなんか妨害されてるようだ。この世界からサンクチュアリを持ち出そうとしてるから世界がそれを拒絶してるのか?

 それとも……あの空の目……あれが邪魔してるのかもしれない。


「少し待っててください」


 私は勇者達にそう告げた。とりあえず吹雪の中で待つのは大変だろうから、近くの洞窟を案内してあげた。もしもこれが冒険活劇なら、その洞窟の奥には何やら秘密があって……とか、古代文明の名残が……とかなるかもしれない。

 けどまあ実際にはそんな事はない。だってこの世界には文明の痕跡は何も残ってないからね。だから本当にただ洞窟で休んでもらうだけになる。温かい食べ物を食べたウサギな彼女は再びくーくーと寝てる。もちろん勇者にだきついてね。

 もう離れる気はないらしい。ちょっとでも離れるとすぐにギュッとしてくる。ちょっとうらやましくあるが……私ではあの子を受け止める事はできないだろう。あの爪にザシュッてされちゃうよ。


「聞こえますか? その世界の神よ」


 私は船から世界へとそんな声を届ける。世界にはその世界を管理してる神なる存在がいる。それがどんな形、姿をしてるのかはきっと様々だと思う。だからあの世界を管理してる神がどんなやつなのか? はよくわかんない。


 でも考えてみて欲しい。あのウサギな彼女はサンクチュアリを持ってる。宿してるのだ。つまりは世界の救世主で、それにふさわしい力をもってる。でもそんな彼女があの空の目に怯えてた。最強が怯える更に上の最強はなにか? それは神ではないか? と私は思ったんだ。

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