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 何が起きてこの世界が終わったのか……どうしてこんな吹雪の世界になったのか……それはわからない。だって何も手掛かりはない。いや……


「彼女は知ってるかもしれないわね」


 それはあの一部ヒト化してるウサギ。サンクチュアリを内包してるだろうその存在。あれはきっと戦いきったんだろう。そして生き残った。でも……疑問はある。


「確かサンクチュアリは世界を救う方にあるものでは? これまでの世界だって大体そうだったし……」


 そしてサンクチュアリの力で勝った……というのなら、この展開というか、この状況はおかしいのではないだろうか? だって、サンクチュアリ側が勝ったのなら、めでたしめでたし……完! ってなるはずでは? 

 いや、事実としてそれで物語が終わる……なんてことはない。本を閉じるように、人生が終わることはないし、もちろんだけど、世界だって終わらない。けどサンクチュアリで得た勝利がこれ? この世界には本当に何もなく、吹雪がすべてを飲み込んだ……とかでもなく、氷漬けになった何かが見つかったわけでもないんだよね。

 つまりはここに……この世界にあったすべてはきっともうない。今は吹雪だけど、別にこの吹雪がこの世界を壊したわけじゃないんだと思う。だからきっと彼女はこの世界を一度は救ったのかもしれない。


 でも……世界は壊れてしまった。その時はその行動は世界を救うための行動だったかもしれない。けど、最終的に、この世界は救えなかった。そういうこと?


「なんでこんな……何があったんだ一体! それだけの力がありながら!!」


 そんなことを言いながら勇者が聖剣を振りかぶる。けどそれをうまく手の甲で凪ぐウサギの彼女。


「何!?」


 驚く勇者の懐に入ったウサギの彼女はその爪を勇者の体に突き立てる。そしてその鋭い爪が勇者の胸から背中にかけて貫通する。


「くっ!」


 貫かれて、それで本当ならおしまい……半端なウサギ人間もそう思ってたかもしれない。でも、勇者はその程度で終わるような性能をしてない。なにせその体はもう普通の肉体じゃない。G-01が作り上げてフラッシュアップしてきた高性能な『自立式変動型駆動人形バージョン7』である。

 中に入れる魂によってその姿を変えてくれるとても高性能な体なのだ。事実上どんな魂にも対応できる……はず。人型ならね。元の体が四本腕があったりしたら、もう二本腕を足すくらい簡単に出来るとてもバリエーション豊かに拡張できる人形だ。

 たぶんだけど、この駆動人形のおかげでこのG-01の世界の人々は寿命を延ばしてきたんじゃないかな? そのために進化してきた技術だと思う。


 そしてそんな高性能なボディーだからこそ、勇者はまだ負けてない!

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