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「やめてください! 頭をあげて!!」


 ミレナパウスさんが慌ててそんな風にいってる。まあいきなり頭を地面にグリグリしてる奴らが囲んできたら、そうなるのも無理はない。これ以上ないってくらいに頭を地面に埋めてるしね。きっと彼らも感謝を伝えたいけど、言葉では通じないからって、その感謝の大きさを行動で示してるんだろうと思える。

 だからきっと彼らは最上級の感謝を表してる。でも自分が知らない感謝のされ方だから、ミレナパウスさんは戸惑ってるみたい。でもそんな所にリファーちゃんがポンポンとミレナパウスさんの肩をたたいて前にでた。


「皆さん! ミーお姉ちゃんはサンクチュアリを求めてます! さあ! 差し出しなさい!」


 ドドーン! という感じで大きな声でそれをいったリファーちゃん。けど……ね。ちゃんと考えていってほしいよね。だって……ほら、リファーちゃんの言葉を受けた亀人間たちはポカーンである。何言ってんだこいつ? だよ。いや、本当にそう思ってると思うけどね。だって彼らと私たちの言葉は違うのだ。

 実際私たちには高度な翻訳機能というか? そういうのがある。そういうデバイスが埋め込まれてるからね。

 私は普通にG-01の機能でそれができる。でもミレナパウスさんとか勇者とかアイとかリファーちゃんにはそういう機能を追加やデバイスの埋め込みとかで対応してる。だって私たちは世界を渡ってるのだ。

 知的生命体と邂逅したとしても、言葉が普通に通じる……なんて思う方が楽天的だろう。だからこそ、G-01には高度な翻訳機能があった。だからそれがあれば世界が違う誰とでも会話出来る……と思ってたけど、どうやらここのカメ人間にはうまく発動してない。

 ミレナパウスさんの世界では問題なかったんだけどね。ここのカメ人間たちは特殊だからそれが原因なのかもしれない。でももっと学習が進めばきっと翻訳できるようになると思う。でも今は……まだ無理。


「リファーちゃん、言葉通じないんですよ?」

「そうだった。なら……こうバーン! だよ! すごいもの、知らない?」


 大きな身振り手振りをし始めたリファーちゃん。確かにそれしかないとは思う。だって言葉が通じないのなら、ジェスチャーで意思を伝えようとするのは普通の事だ。それで何をカメ人間たちは思ったのか、何やら話し合って、二人がまずは泉に入る。そして背を見せた。岸の近くで背を見せて、そしてそこに他のカメ人間たちがミレナパウスさんたちを誘導する。

 いや誘導するというか? 他のカメ人間たちが実践して「どうぞどうぞ」――という風にやってた。


「きっと通じたんだよ!」


 そういって簡単にその背に乗るリファーちゃん。ちょっとは警戒心を……とか思うけど、まあカメ人間達なら問題ないのは確か。だからミレナパウスさんもそのあとに続いた。そしてゆっくりと二人を背に乗せたカメ人間は岸から離れて泉の中央へと向かうのであった。


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