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「治すのは良いですけど……」


 リファーちゃんの嘆願にミレナパウスさんは歯切れ悪くそういう。そして視線を泉に向ける。ミレナパウスさんもわかってるんだ。あの泉から見てる他の亀人間の事を……まあ実際気づかない筈はない。だって別にあの亀人間たちは隠密的な力を使ってる……とかない。

 普通に静にかそこにいるだけだ。実際ただ視力だけで彼らを見つけるのは難しいと思う。なにせ水面揺らすことなく、静かに泳ぐことが出来るようだからね。その技術は凄いといえる。けどそれだけだ。

 私達のように肉体のエネルギーとか力とか、そんなのを感じとれる存在なら、普通に気づくことが出来る。それこそ別に視界に入らなくても――キュピーン!――とわかるのだ。


 まあ私はそんなの感じたことないけど? だって大体私が感じる前にG-01なら、その優秀なセンサーが私にとっての敵を判別してくれるのだ。そこに穴なんてものはない。それこそG-01のセンサーから逃れて接近できるような存在はその世界でもかなりの上澄みだろう。

 彼らは……まあ自身の内のエネルギーとかを制御とか出来なさそうだから、こっちから見たら原始人みたいな? そんな感じだね。


「あぁわかった!」

「え?」


 リファーちゃんは何がわかったのか……次の瞬間彼女が消えた。空間移動をしたんだろう。そして彼女は一瞬でこちらを伺ってた亀人間の所に飛んだ。


「こんにちわ」

「「あーーあーーあーーー!!??」」


 リファーちゃんはさも当然……のように泉に潜んでた亀人間の所に現れて、そしてそのまま泉の湖畔に立つ。そしてリファーちゃんが現れた瞬間から、亀人間たちは意味が分からない声を上げてた。


 きっと意味はない。それは所謂ただの絶叫とか言うやつだろう。さっきまで湖畔を揺らすことなく行動してた彼らも今やバシャバシャと激しく動いてる。


「あっ」


 何かいきなり二体いた亀人間の動きがおかしくなった。さっきまではスムーズにジタバタしてた……といえる。けど今はなんかぎこちなく、そして顔も苦悶にゆがんでる。リファーちゃんはきっと経験ないだろうけど、彼らは今、とても危ない瞬間に陥ってる。

 なぜなら、彼らの脚がつってるのだ。ピキーンとね。そもそもが水中で君たち暮らしてるんじゃないの? と言いたいし、肺呼吸なの? とか聞きたいが、足がつったことで彼らは自分のホームである筈の泉で溺れかけてる……という状況である。

 沈んでは浮いて、なんとか息をしてる亀人間。それをどう受け取ったのかリファーちゃんは「えいっ」とやった。その瞬間だ。彼らは泉から消えて、次の瞬間には地上に出てた。けど彼らはそれに気づかずに一生懸命脚をピーンとしつつ腕をバタバタ動かしてた。地上でその姿を見ると、とても……そう、とても滑稽に見える。

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