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 検証の結果、これは極めて聞き苦しい……音……所謂不協和音というやつだということがわかった。何かの力? 洗脳とか幻覚とか? うん、気持ち悪くなるんじゃないかな? 


「うう、なんか吐きそう」

「ちょっと……これは……」


 ほらね、リファーちゃんもミレナパウスさんも苦しそうだ。まあそれだけだと思うけど。私は大丈夫。だってドローンからはその音は拾わないようにしてるからね。ただ波形だけは見えてる。

 音波ってやつだ。まあこの不協和音にどんな意味があるのかはわかんないが、聞き苦しいのは確かなわけで、相殺するか? だって所詮は音……なんのエネルギーもこもってない音なら、逆位相の音をぶつけることで簡単に相殺できる。


 所謂ノイズキャンセリングの技術である。それもG-01が行えるノイズキャンセリングはかなりレベルが高い。ノイズキャンセリングって消すのに苦手な音って奴がある。でももちろんだけど、G-01のレベルの技術力なら、そこらへんも完璧に克服してるといっていい。

 けど全ての外の音を完全に遮断するとどうなるのか……わかるだろうか? そうなると今度は自分の音が気になるのだ。自分の音? と思うかもしれないが、人間……いや人間に限らずに生命とは生きてるだけで、その体は動いてるわけだ。


 そもそもが生命は完全に止まったときが死んだとき――なんだからね。だから生きてる限り、寝てたとしても心臓とかは動いてるし、血流だって絶えず流れてる。そういうことである。それが聞こえる様になってしまう。

 でもそこら辺も大丈夫。なにせG-01の技術力はそこまでカバーしてるからだ。だから完璧にこの音を遮断する……ということは出来る。でも……


「音を消したらこの人たち怒るかな?」


 ハッキリいってやってる事が微妙すぎてこれが敵対的な行動なのかどうなのかというね。つまりはどう判断したらいいのか? ってことだ。もしかしたら文化的にこれがこの亀人間たちにとっては友好的行動なのかもしれない。

 まあそれならもっと笑顔になってほしいけどね。だって彼等はミレナパウスさんたちを睨んでる。それだけ見たら敵対してるように見えるし、この音も攻撃? のように思える。もしかしたら私達が強すぎるのかもしれない。

 そのせいでこの音をただの不協和音で済ませる事ができてる? 彼等はより強く、激しく音を出し続ける。その体に汗を滝のように出しつつ、その緑の肌が内出血して赤くなるほどに……

 うん、やっぱりこれで彼等は相手を……私達をどうにか出来るはず……という魂胆だったらしい。でも、ミレナパウスさんとリファーちゃんには効果はない。だから、亀人間たちは必死にその体を痛め続けながらも、音を出し続けるしかなくなってる。ちょっと哀れになってきた。


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