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「おおー、いい武器になるよこれ! もっと取ってこよう」


 そういって早速葉っぱを大量に確保しようとするリファーちゃん。けどそれをミレナパウスさんが止める。


「まって、そういうことを言いたいわけじゃないの」

「ええ? いい武器になるってことじゃないの?」


 本気で疑問を持ってるリファーちゃん。どうやら手裏剣になりえるここのはっぱをかなり気に入ったようだ。


「全然違う。これは元からこうだったわけじゃないの。私がむしったらこうなったの」

「怒ったのかな?」


 リファーちゃんらしいかわいい見解である。そこで感情に行っちゃうところは幼い感じがする。けどもちろんミレナパウスさんはそういう感情でものを考えてない。


「えっと、これはこの世界の力の影響が与えられたってことだよ」

「うん? これも死なないの?」

「いいえ、これは死んでる。木々の生態はリファーちゃんはわかってる?」

「うーん、知らない」


 そういえばいろいろと教えてはきたが、そういうことは教えたか知らないな。そもそもがリファーちゃんの知識はどうなってるのかよくわかってない。

 私の記憶をコピーしたような所はあるが、全くわかってないことも多いのだ。そしてそれをリファーちゃん自身が分かってない。

 最初から知ってることもある。でもしらないこともある。日常生活はあんまり困ってない。けどどんな知識があるかはわからない。一応算数とかは教えてたような気がする。でも時空間の事は口にはできなくてもなんとなくで大抵こなせるからね。


「木はこの葉っぱが本体じゃないの。あの大きな幹が地面に根を張って地面の栄養を吸収して育ってるんです」

「じゃあ、これはたくさんとっても問題ないってことだね!」


 まあ……間違ってはない。けどそれを言うときっとリファーちゃんは根こそぎ木々の葉っぱをむしりとるかもしれない――とミレナパウスさんも思ったんだろう。


「ちゃんと葉っぱの役割もあるんです。全部取ってしまったらだめですよ?」

「なんで? 地面から食事してるんでしょ?」

「リファーちゃんも知ってるでしょ? お肉とお魚では取れる栄養が違います。食事はバランスよく、ですよ」


 それは食育ということで結構初めに教えたことだ。なんでも食べてくれるリファーちゃんだけど、美味しいと思ったものを永遠と要求してきたりしてたからね。

 だから栄養素の事をアイに講義してもらったんだ。まあけどリファーちゃんの肉体が通常の肉体とは違うというのはわかってるからね。

 その食育にどれだけの影響があるかは実際わかんない。まったくもって意味なんてない可能性もある。けど知ってて不利益になることじゃないし? どの世界でもきっと役に立つことだとも思った。

 だって生命が肉体を持ったら大体口はあるだろう。口があるなら食事をとる。肉食とか草食とかはあるかもしれないが、肉にも種類はあるし草にだって同じに見えてもいろいろとある。

 入ってる成分が違ったりするだろう。だから同じものばっかりはやっぱり体に悪い……とまでは言えなくてもよくはない。出来るならいろいろと違うものを食べたほうがいいだろう。


「うーんわかった」


 そういってリファーちゃんはタタタッと草に近づく。優しく触ると、柔らかかった。でもそれをためらいなくブチっとむしる。するとクチャッとしたまま硬くなってしまってた。


「むむむ、これじゃあ使えないよ」

「もっと優しく……ではなく言いたいのはそういうことじゃないんです。これは使えます」

「うん、投げて攻撃できるね!」

「そっちじゃない……」


 攻撃にしか使わない気であるリファーちゃんをミレナパウスさんはたしなめた。どうやら言いたいことはそういうことじゃないみたい。

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