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私が不死に死をもたらすのを見て、二人の私への尊敬というか? 憧れというか? そんなのが一層強くなったような気がする。
なにせ……
「流石ですジーゼ様! 私、今の術式の芸術的な美しさに見惚れてしまいました! 私ではまだまだ理解できない領域でしたけど、あれが頂き……私、いつかあの術式のような美しい魔法を使います!!」
きらきらとした目と雰囲気でミレナパウスさんがそう言ってくる。そんなに凄かったのかな? てか見えてたの? まあミレナパウスさんなら、鋭敏な視力を得る事くらい簡単か。それに、よく私を……というかG-01を見てるもんね。
その目が一番何を捕えてるのか……となったら確実にG-01だろう。これが勇者でも目で追ってたら――「おや、恋?」――とか思えた。淡い恋心が芽生えちゃった? とか思えた。それに勇者もミレナパウスさんも十分、相手にふさわしい年ごろだと思う。お似合いなんだよね。けど悲しい事に、ミレナパウスさんはどうやら勇者には恋してないみたいだ。
おかしいよね? だって勇者はあんなにイケメンである。そして優しくて、頼りになって、女の子にはとてもやさしい。いやまあ勇者は性別関係なく優しくはあるけど、今は一緒のパーティーには女性と性別不詳しかいないけどさ。きっと今の勇者は明確な男性は自分だけだからってしっかりしないととか思ってそう。まあ実際私もよく頼ってるけど……あからさまに「助けて―」なんてのはもちろん言わない。
だってそんな風にはできない。一応私は導いてる側だからね。このパーティーのトップは私なのだ。けどだからって私はG-01というロボなわけで、そうなると普段から何やら相談に乗るとか? そんなことはあんまりしないというかできないみたいな。あんまりそういうことを誰も言ってくることはない。きっとG-01は隔絶された力があるロボットだからね。遠慮とか近寄りがたいみたいなさ……そんなのもあると思われる。
だからこそ、勇者だよね。勇者は面倒見だっていい。だから悩みとかだって……ね。勇者はしんみになってくれる。女の子には女の子の悩みとかあるだろうけど、次に頼りになりそうなのアイなんだけど……あいつはね。勇者よりもデリカシーとかないから。だから結局ミレナパウスさんもリファーちゃんも普段は勇者を頼りにするというか? 単純にアイよりも勇者の方が優しいってのもあるだろう。
「ねえねえ、どうやったの? どうやったの!?」
リファーちゃんもどうしたのかしきりに聞いてくる。二人のきらきらな圧力に私はちょっとたじたじだ。




