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 落ちていく因子を入れられたトビウオ。それを二人は見つめてる。私も世界越しにみてる。リファーちゃんはその素の視力で……ミレナパウスさんは眼球に魔法陣が浮かんでる。そして二人が見守る中……トビウオはただ落ちていく。私の観測とリファーちゃんの挑戦、それに前のトビウオの犠牲によってカメの世界を守ってる障壁はカメの背の大地から上空5キロ地点くらいまでに展開されてることを確認してる。

 そして今……その因子を付与されたトビウオは超えた。それを確認した二人は頷き合う。


「お姉ちゃん!」

「はいはい」


 そういって二人は手をつないでその場から飛び出した。きっと地上に降り立つ役目はリファーちゃんが……そして因子の方はミレナパウスさんが担当するってことなんだろう。二人を包むような丸い魔法陣が出来上がった。そしてそのまま、カメの障壁へと二人は突っ込んだ。二人に迷いはない。トビウオが障壁を超えたから確実に行けるって判断だろう。それはそうと……


「二人とも思いっきりがいいね」


 そう思った。だってもしもダメだったらトビウオが爆ぜたみたいなさ……それが起きるわけじゃん。ちょっとは怖いとか……


「思うわけないか」


 だってそもそも最初にあの障壁にはじかれたのはリファーちゃんだ。でも……だよ? でも、リファーちゃんはこの通りピンピンとしてる。それはつまりはリファーちゃんたちなら、その障壁の防御機構にはじかれようともそこまでのダメージはないってことだ。トビウオがはじけ飛んだのはなんの『力』もないからだろう。けどリファーちゃんもミレナパウスさんもそうじゃない。ちゃんとした『力』を持ってる。だからもしもはじかれてもどうにかなるだろう――ってことで、そこに恐れはそこまでないのかもしれない。せいぜいバチっとするくらいとでも思ってるのかもしれない。

 そんな静電気じゃないんだからね。まあけど二人のその思い切りの良さ? はよかったらしい。二人は障壁を超えてカメの背の世界にはいった。でも次の瞬間だ。


「むむ……見えない」


 どうやら電波を遮断する何か……があるのか私のモニターには二人の姿が映らなくなった。まあ私もドローンに因子の情報を入れて中に入ればいいだけではある。とりあえずそれもするけど……まずは二人の無事を確認しないといけないから、私のミレナパウスさんに刻んだ私の術式を介して、彼女の視覚情報を出力することにした。


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