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「それでは受け取ったデータを……リファーちゃん、何かこの世界の物とってきてもらえる?」

「はい」

「きゃああああああ!?」


 そんなやりとりの次の瞬間だった。リファーちゃんの手に再びトビウオが現れた。ええ? 今、リファーちゃんは一回も消えることがなかった。つまりはそれってリファーちゃん自身が時空間移動をしたわけじゃないってことだ。どういうことかというと、リファーちゃんは遠隔でトビウオをその手元に空間移動させたという事だ。

 さっきまでは一瞬消えて、そして戻ってきた時に目当ての物と共に転移してきてた。けど、今のはそのいままで――とは違った。何を思ったのか知らないが、今のは任意の物体を手元にもって来たんだろう。それがなんだ? と思うだろう。実際ちょっと使い方を変えたというか? 運用方法を弄ったみたいな、そんなくらいだろうとおもうだろう。けど……ちょっとした違いなんだから労力なんてかかってないとかさ……無知は思うのである。


「リファーちゃん、今……空間移動した?」

「したよ! お魚さんが!」

「そうだね。お魚さん――だけ――が空間移動したように見えたんだけど?」

「うん、そっちが簡単かなって思って。さっき飛んだ時の光景、覚えてたから」


 さらっと、リファーちゃんはそんな風にいってる。きっとミレナパウスさんはわかってる。空間魔法の難しさを。実際ミレナパウスさんも空間干渉とか空間にアプローチする魔法をちょっとの間やってた。リファーちゃんという到達点が目の前にいるんだ。やってみたいと思うのは当然だろう。それに模擬戦だって一番戦ってたのはリファーちゃんとミレナパウスさんだし、空間移動の強さを肌で感じてたと思う。それならば、自分だって魔法が使えるんだから空間魔法に挑戦しよう!! となるのは至極真っ当だ。

 けどその結果わかったのは、リファーちゃんがいかに理不尽な存在なのか……である。ミレナパウスさんの空間魔法への挑戦は僅か三日くらいで終わった。その難易度を肌で感じて、頭で理解したからだ。けどきっと今もミレナパウスさんは勉強自体はしてると思う。ただ三日そこらでは戦闘中に空間に干渉して何かする――という段階に行くわけもなかった……というだけの話だ。


 なにせ空間魔法はとても複雑な魔法だ。いろんな魔法のハイブリットといえる。座標を定めたり。行きたい場所を正確に把握する感覚も必要だし、今いる場所の空間の把握と出る場所の空間の把握を同時にしないといけないとかあるし……もっともっと考える事が多岐にわたる。

 戦闘中に「そこにいこ――ほい! もらったー!」 とかできるわけない。さらにはリファーちゃんのように連続で飛ぶ……なんて……考えられないだろう。つまりはそれだけ空間移動は複雑なのだ。それなのに、ちょっとその空間移動のやり方を変えました? 思い付きで様々な世界の魔法使いたちの苦労は何だったんだ! となるだろう。

 それだけの事をリファーちゃんはやってのけたというのに……本人は全然気づいてない。


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