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『リファー、対象が接近してます。気を付けてください』
「はーい!」
私はそんなふうにリファーちゃんに忠告をした。その直後だった。リファーちゃんとミレナパウスさんがあの世界のトビウオ的な魚とともに移動してる下に黒い影かヌッと現れた。そして一気に山のように海面が盛り上がっていく。
「あわわわわわわわわ!!」
「きゃあああああああああ!? なんですか一体!?」
リファーちゃんは楽しそうに、そして逆にミレナパウスさんは戦々恐々としてその自体に直面してる。しまった、ミレナパウスさんにはあの生物の接近を伝えてなかったや。私のミスか。けど……慌ててるミレナパウスさんはトビウオとともに盛り上がった海面を滑ってる訳で……それによってその……さ。たわわがね。うん……すっごくバルンバルンとしてる。
さすがはGカップ……いくら服を上から着てると言っても流石にあそこまで派手に動くと……ね。すごい迫力である。そんなことを思ってると、海から巨大な陸地が現れた。いや違う……あれは……
『カメ?』
そう……どうやらあの世界のサンクチュアリを持ってる生物。それがあの亀みたい。普通は亀は甲羅を背負ってるものだろう。けど、あの亀はサイズが……そしてスケールが違う。その甲羅は大地だった。さすがのG-01でも、異世界で……更には水中にいたあれを完璧に把握すること難しかった。なんか巨大な存在……というのはわかってたけど、まさか大地を背負った亀とは……でも普段は海の底にいる亀なら大地も不毛になってておかしくないと思うだろう。
だって海水って普通は大地に悪いからね。様々な世界には様々な海があるから、ここの海はただ栄養豊富な成分しかない……かもしれないが、けどすでに成分分析してる限りこの海は私がよく知ってる海である。
つまりはしょっぱい。ちゃんとしょっぱい海なのは間違いない。だからきっと大地にだって悪いだろう。海は確かに生命の母なのかもしれない。この九割がたが海の世界ではそれがさらに顕著だろう。ほぼすべての生物はこの海に依存してるといっていい。だから陸なんてのは珍しいはず。
だからあのカメは貴重だろう。それに……
『なんか普通に緑があるわね』
私はつぶやく。そうなのだ。あの大地、普通になんか植生してる。
「わっはー! でっかいね!!」
前の世界のサンクチュアリを持ってた生物は小さかった。だから今回のこの巨大さにリファーちゃんは目を輝かせてる。
「えい!」
次の瞬間、パッパッと消えては現れてそして消えた。どうやらいったんミレナパウスさんを回収してくれたようだ。そして空間移動で一気にカメの甲羅の大地へと降り立――とうとしたようだけど、なんかはじかれてた。




