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私はこのまん丸いモフモフにとって悪でしかない。それは認めよう。だっていきなりこの世界に現れて、なにがなんだかわからないうちに、自分を狙ってきたのだ。それはもちろん抵抗するよね。
けどだからって言葉を発して、自分たちの意思を伝えられたか……といえばそんなこともない。だって私達には共通の言語……なんてのはない。一応G-01には思考を伝える……という事ができる。でもそれもある程度の知能がある生物に対してでないと有効ではない。
ただこっちがそんな電波を伝えたとして、理解できない事ばかりなら、直接頭を攻撃された……としか思わないからだ。いきなり変な声が頭に響いて、そのせいで頭がガンガンとなったらどう思うか?
「こいつ、なんかしやがった!?」
とおもうだろう。そしてわけがわからない理解できないことが頭に響くとどう思うか? それはおかしな攻撃をしてきた……と思うんではなかろうか? じっくりとゆっくとり、この生命体に接触をして言葉が通じないながら、心を通わせる手はあったかもしれない。こんな世界だし、なにか困り事があって、G-01のテクノロジーでそれを解決して上げたりしたら、言葉は通じなくても、心を通じ合わせることはできたかも。
でも今回はそんな過程を私は選ばなかった。もっとスピーディーな展開を私は求めた。てか……これからだって渡った世界でサンクチュアリの保持者と良い関係になれる……という保証はない。そうなったら、サンクチュアリを無理矢理得る……という選択肢を取らざる得ない時は来ると思うんだ。
それがもっともっと厄介な相手のときに始めての経験……となるよりも、もっと簡単な相手で練習しておくのは大切なことではないだろうか? 別にこのまん丸いモフモフがどうなっても良い……ということじゃないよ。
だってそれはこっちの勝手な都合だ。だからこっちの都合だけをただ押し付けて「はいさいならー」とはやらない。そんな風にしたら、本当に私達はこいつからしたらただの悪……いや通り魔みたいなものになる。
別に悪と思われるのは仕方ない。でも、心ではそういうことをしないと誓うのは大切なことではなかろうか? ちゃんと自分の中での一定基準。被害者には悪と思われても、こっちには悪に達しない基準を設けてれば……自分に言い訳できるっていうね。そういう心のケア? って大切だと思う。
なので私は無理矢理にサンクチュアリを全部引き剥がす……なんてしない。これまで通り、私はサンクチュアリを得る。でもこのまん丸いモフモフだって生かして上げるつもりである。




