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 サンクチュアリはその生命に大きく結びついてる。それを無理矢理取る……となったら、そのショックにサンクチュアリを宿す生命が最悪、死に陥る可能性はある。なにせその本体に取っては魂を引きちぎられる様なさ……そんな感覚ではなかろうか? 知らないが、そんな感じだと思う。

 そのくらいサンクチュアリを引き剥がす……というのはその生命に取っては大変なことだ。これまで私は無理矢理サンクチュアリを得る……なんて事をしてこなかった。これまでサンクチュアリをこっちが得たからといって、それを宿してた存在が死んだ……なんて事はなかった。

 それはきっと宿主の意思によって、自主的にサンクチュアリを譲渡されてたからだ。


「いや、もしかしたら……」


 あれは譲渡とかじゃなかったのかもしれない。私は普通にサンクチュアリを得てた――と思ってた。だってこっちにサンクチュアリが移ってるんだ……と思ってた。けどもしかしたらそうじゃなかったのかもしれない。


 だって私が得てたサンクチュアリで死んだ存在はいない。でもG-01にちゃんとサンクチュアリはある。これが何を意味するのか……今まではそれを考える必要はなかった。だってもう得てるんだ。それ以上を考える必要ない。だってこれがサンクチュアリなんだと、ちゃんと証明はされてる。

 でもきっとこれは、丸々全てのサンクチュアリって訳じゃない……わけじゃないのかもしれない。そう、サンクチュアリの分割? 多分、そんな風な機能によって、私はこれまでサンクチュアリを譲渡されて来たんだと今なら思う。

 だってそのサンクチュアリはその生命の生命活動に大きな割合を占めてるのだ。それを丸々捨てる……渡す……なんて事は普通に考えたらできない。そんな事したら、譲渡したらサンクチュアリを宿す生命は、サンクチュアリを渡すことで死ぬことになるからだ。

 でもこれまでそんなことにはなってなかった。つまりは……だ。


「つまりはサンクチュアリには元から一部をコピーして分割するような、そんな機能がある」


 一部というか? それは確かにサンクチュアリ何だと思う。だからデータの一部というのはきっと表現としてただしくない。全く同じものをコピーできるというか? そのコアの部分かな? それをコピーして信頼できる……それこそサンクチュアリ保持者が認めた相手には渡せるんだろう。

 そうやって私はサンクチュアリを得てきた。それならこれまでサンクチュアリ保持者に認められて来たのが正攻法であったと説明できるだろう。サンクチュアリ保持者と心を通じあわせて、認められてそしてサンクチュアリを分割割譲の様なことをされてたのだ。そしてそれが正しかった。 

 じゃあこれは……私は今、このまん丸いモフモフの生物から無理矢理サンクチュアリを取り出そうとしてる。それはきっとひどいことだ。言うなれば……悪。そう、今私は悪いことをしてる。

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