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「完・全・解・析」
私はむふーと満足げに胸を張る。そんなに大きくはないが、形が良く張りもあって垂れ……なんてのとは無縁の最高の美乳がツン、と上を向いてた。コクピット内ではほぼ裸みたいな私だ。
ここには私しかいないわけで、他に訪問者もいるわけではない。だがら裸でも気にならないし……そもそもが服、なんてのは今のわたしにとっては合理的な存在じゃないのだ。
まあそんなことはどうでもいいだろう。ここにとんでもない美少女がほぼ裸でいるが、それを知ることできる存在なんてのはいない。私は大体が隠された存在だ。ある程度の技術水準に達してる世界の人がG-01を見たら、中には誰が? とか思うかもしれないが、まあきっと眼の前のまん丸いモフモフの本体はそんなことを思いつきもしないだろう。
とりあえずは大人しくしてもらおう。G-01の指先、そこから私は小さな小さな針を射出した。そしてその針にはある薬品が塗られてる。成分を調整して私自ら眼の前の存在に対して有効的な成分を分析して即席した物を塗った針。
G-01のサイズ感なら針だってそれなりに大きいのでは? と思うかもしれない。実際それはある。普通に用意された標準的な針だと、G-01の指に収まるサイズ……ではあっても、それは人間サイズで見たら数十センチはあるようなぶっとい針になる。
でも今回射出したのは本当に数センチくらいの針である。だからきっとあの存在はそれが刺さったことにも気づいてないだろう。でも効果は抜群だ。
「よしよし」
グニャリ……とまん丸いモフモフの本体からでてた黒いフヨフヨのスライムみたいなの……それが崩れ去った。維持できなくなったのだ。これで脅威のほぼ99%はなくなった。
だってあの黒いスライムみたいなのが危険だったのだ。あれの分解は破格の性能をしてたと言える。でもそれだけだ。その脅威は意識が朦朧としてるであろうまん丸いモフモフの本体ではあれを維持する事はできなかった。
さてさて、大人しくなった所で始めよう。私はユグドラシルシステムのカタログを見つつ、必要な物を創造させる。ソードコアとなったことでエネルギーは単純に二倍……では収まらないくらい増えてる。ソードコアを活かしてはないが、それでもエネルギーの余裕は心の余裕ってね。
私は様々な機器をまん丸いモフモフの周囲に創造して、サンクチュアリの取り出しを始める。




