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いくらでも、何度でもまん丸モフモフの本体はG-01をその黒い体で嘗め回す。きっと「今度こそ」――と思ってるんだろう。早く倒れろ……とか、消えてくれ……とか願ってる。それがわかる。だってその黒い部分で一撫でして消えなかった存在も物もなかったんだろう。
でも今、G-01とまん丸モフモフの本体の間にある隔たり……それは物体ではない。二人の間にあるのはG-01が展開してる空気の膜のようなものだ。普段はそんなのは使わないんだけどね。だって別にG-01の装甲は頑丈だし、その気になればもっと頑丈なシールドを展開できる。でもそういうのじゃなく、空気というか大気というか……それを使った方がこのまん丸モフモフの本体の力にはこっちの方が効果的だろう……と思ったからだ。
G-01を覆うシールドは確かに頑丈だ。間違いない。けど、それはもしかしたら物体と認識出来てしまうかもしれない。そうなると、あのまん丸モフモフの本体の黒い部分には無意味になる。シールドはエネルギーを独特な編み方をして、システムの元に組み上げてるわけで、エネルギーの状態では物体とはいえないかもしれないが、シールドのようになってしまったら、きっとこいつもそれを認識できる思う。
それに編み込んでるんだし、分解の対象になりえる。そんなシールドに対して今私がG-01の周囲に展開してるのは空気とエネルギーを混ぜて指向性を持たせたものだ。それをG-01の周囲に展開してる。そんなに強度はない。なにせただとどまらせてるからだ。
けど、これでもある程度の射出物とかだと軌道をそらすとかできるし、勢いを殺すくらいは行ける。それに外からの衝撃で一時的にでも集まってきて強度を上げれる。その特性があるおかげで、まん丸モフモフの本体の攻撃はG-01に届いてない。このそれこそ膜のようなものに阻まれてる。もっと勢いよくぶつけてくればわかんなかったけど、こいつはそれよりも確実に大きな面積をG-01に触れさせようとしてきた。
だからこそ自らその勢いを直前でころしてる。それでいい……と思ったんだろう。実際この膜は見えないしね。でも確実にG-01とあんたの間にそれはある。そしてそれを察せれなかった時点であなたの負けだよ。
「いくよ!」
私は反転、攻勢にでる。でもそれは暴力的な事をしだす……とかじゃない。もっと平和的だ。なにせもう十分なデータは取った。奴が執拗にベロンベロンとしてくれたからね。たくさんのデータがとれたのだ。そしてその内側のサンクチュアリ、それを既に私は見つけてる。
だからもう終わりだよ。大丈夫。きっと痛くない。




