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もしかしたらの自身の故郷に思いを馳せつつ、私はこのまん丸モフモフの本体の攻撃を解析する。ダミーは壊されたから、G-01の本体がそのまま姿を表したら、本体は震えてた。
まさか倒せてない……とは思ってなかったんだろう。実際、ダミーは食われたわけだからね。その感触はきっと本体にはあったんだろう。だからさっき食べたのがまさか本体じゃないなんて思わなかった。自分だって沢山分身造ってるのにね? それが自分だけの専売特許だと思った?
そんな訳はないでしょう。けどさすがは野生。判断が早い。すぐに気持ちを切り替えて再び攻撃を仕掛けてきた。ダミーよりも百倍は頑丈な本体なわけだけど、どうやらまん丸いモフモフの本体の今の攻撃……あれはいわゆる防御力無視……というやつだ。
まるで吸引してるように見えるあのまん丸いモフモフの本体からでてる黒いスライムみたいなの。あれは吸ってるんじゃない。どうやら分析の結果は吸引というよりも分解に近い。細胞に綻びを与えてその結びつきを強制的にほどかせる。
そうしてあれは細胞やら繊維、原子をすってるといっていい。どんなに強大に見える一枚の装甲も、最小まで分解すれば原子と分子の結びつきである。それを強制的に解除できるとなれば、そこにはどんな素材も装甲も意味ない。
だから避ける。
「まさかここまでの性能をしてるとは……」
ちょっと驚愕してる。だってG-01の装甲が意味をなさないのだ。でも……対策がないわけじゃない。確かに物体にはこのまん丸いモフモフの本体からでてるスライムみたいなのの攻撃は強い。
最強といっていい。どんなものでも、物体ならその結びつきを解き、分解して食うことができるんだろう。だからこそ、リファーちゃんの腕も一瞬にして食われた。本当に空間移動を一瞬でしてなかったら、リファーちゃんの存在そのものが分解されてた可能性がある。
リファーちゃんの判断は何も間違ってなかっといえる。てかめっちゃいい判断だった。それもきっと彼女の危機感知の本能だったんだろうね。
「この世界には不思議な力を使うのはきっと貴方だけなのでしょうね。だからきっと貴方は最強。でも……対策の方法はあります」
何通りかね。けどダミーを食わせるのはもうしたし、もしかしたらこの生き物が学習をしないともかぎらない。なんか地頭はよさそうだし、下手にこっちの情報は与えたくない。だから私はきっとこの生物が理解できないであろう方法をとったよ。
さっきまではうまく回避してたわけだけど、それに対して向こうはその手を増やすことで抵抗してきた。単純に手数を増やす……というやり方だ。単純だけど、効果的。野生の生物がする対策としては当然だろう。
実際大きなG-01では全てを避けるのは限界があるしね。でもそんなの……だよ。
「もう効かないよ」
私はあえて、G-01を動かさずにその手を余さずにうけた。




