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「あぁ……ああああああああ!!」
苦しそうなリファーちゃんの声。すると彼女はなくなった方の腕を空に掲げる。すると、モリモリとなんか肉? が盛り上がってきた。ピンク色と血の金色……それが混ざりあったのがでてきた。するとその途中で、アイが別の瓶を取り出した。
「リファー、これを飲みなさい」
そう言って口に強引に蓋を開けた瓶を突っ込むアイ。それは強引に喉を通っていく。あれが何なのか……それは知らないが、きっと必要なものなんだろう。そしてそれからもリファーちゃんのなくなった腕からは肉が膨らんでいき、そのうち、胴体と同じくらいになっていく。するとそれだけ膨らんだら、次の段階に移ったようだ。
膨らんでた肉が、落ち着いてきて、今度は変形をしだしたのだ。肉はどんどん小さく……そしてシュッとなっていく。それはしばらくすると、腕の形を整形した。骨はどうなってるんだろう? そんな事をおもった。
だって肉が膨らんでる時には骨まで整形されてるようにはみえなかった。でも今はもう腕の形にはなってる。こうなったら骨がなかったらだらーんとなるんではないだろうか? だって肉体を支えてるのは骨である。土台……と言ってもいいだろう。それがなかったら、形を維持することだってできないだろう。
すでにリファーちゃんの成形された腕はまっすぐに伸びてる。力強く……というのは女性の体に言うのは間違ってるのかもしれないが、しっかりとその形を保ってるといっていい。
まだまだ皮がなくて肉がむき出しだから、美しいとかはない。いや、形だけで言ったら美しいよ。なにせ私の体だし? けどきっとそのうち私とリファーちゃんの体には差が出始めるのでないだろうか? と思う。
色味の違いは今でもあるが、今の所身長も体重も……いや体重は既に差が出始めてるが……違うよ。私のほうが軽いからね!? まあそれは筋肉量とかなんだけど……なにせリファーちゃんは見ての通り、よく動く子だ。生まれたての子供らしく、何にだって興味を持つ。そして生命を感じる肉体も気持ちいいんだろう。更にいうと模擬戦という戦いを毎日やってるのだ。
それに対して私は……うん私はずっとこの中にいる。このコクピットにいるしかできない。それに更にいうと、リファーちゃんはちゃんと食事をとってる。肉を食べ、魚を食べて草……ではなく、野菜とかもちゃんとね。
なんでもバグバグ食べてるリファーちゃんである。それに対して私はここでは食事なんてしてない。だって常に栄養は供給されてるからね。あんまり食事を……固形物を食べさせないのは、きっと排泄物とかの関係もあると思う。ちゃんとそれを処理する機能も装置もあるが、おおいよりは少ないほうが処理が楽なのは確かだからね。
人は食べた分、出す生物だ。でも、食べなければでない。完全にそうじゃないけど、G-01を造った人たちなら、排便だってコントロールするくらいは造作もない。そういう色々な違いが既に私とリファーちゃんにはある。
だからきっとこれから徐々に私とリファーちゃんの体は変わってくるだろう。そんな確信がある。そしてそんな事を思ってると、更にリファーちゃんの腕の再生は進んでた。