5
とりあえず私たちは進むことにした。世界が変われば、色々と勝手がかわる。有利なこともあれば不利なこともある。それは仕方ない。でも……それを踏み倒せることが出来れば、なんの問題もないといえる。大抵の世界ではどうやら私たちはかなり強いと思っていい。でもその強さ……と言うのは当然だけどエネルギーに依存することになる。
そもそもが全ての元素のエネルギーを変換できるG-01にはそれも関係ないんだけど、他の皆……勇者やアイやらミレナパウスさんとかリファーちゃんにはとても関係がある。なにせ世界が変わるとエネルギーの補充は基本、G-01を通して……しかできなくなるからだ。
でも速攻……そう、そう速攻でサンクチュアリを確保出来たらどうだろうか? 素早くサンクチュアリを発見して、そして確保することが出来たなら、大抵の問題というのは私達の『強さ』で踏み倒す事が出来るんじゃないだろうか? だって私たちは正直強いのだ。
サンクチュアリを獲得する……というのは炭鉱に入ってその炭鉱から鉱石を持って帰るような……そんなそこらに落ちてるものではない。穴掘ってもここに確実にある……なんてのはわかんないんだ。それにサンクチュアリは同じ形をしてない。そもそもサンクチュアリに形というのがあるのか……今までの世界で得たサンクチュアリだって形を保ってある物なんてない。今や得てきたサンクチュアリはG-01共にある。
なにせG-01の血肉になってるからね。まあG-01に血肉はないが……でもエネルギーとなってるのならそう言えるんじゃなかろうか?
『植生、空気中の成分、それにこの光……どれも変な効果はないみたいね』
一応ミレナパウスさんにはマスクをしてもらってる。まあ物理的なマスクではなく、魔法的なマスクだ。あの首のアクせにその機能を新たに組み込んでおいた。なにせ別の世界に渡るんだよ? もしかしたら空気中の成分がミレナパウスさんにとっての毒になる可能性は否定できない。他のメンツならそんなの気にする必要もないだろうけど、ミレナパウスさんは生身なのだ。成分の変化だけでも、彼女にとっては致命になっておかしくない。
まあ生身といっても、あの世界の生身はそれこそ勇者とかの世界の生身よりも頑丈らしいが……でもサイボーグとかと比べるべくもないからね。生身は生身だ。確かに傷の治りも、病気への耐性も高いけど……流石に毒を受けて生き延びられるとか、腕を落とされても再生するとか……そんなレベルではない。
だからは事前にミレナパウスさんの力を使って息をしてる鼻と口に直接的な浄化作用を持たせるようにしたのだ。まあこの世界はどうやら別に普通に息出来るみたいだけどね。
森を進む中、小さな動物たちは見かけるけど……何か凶悪そうな生物は確認できない。原住民に会う……なんてことも今のところはない。そもそもがこの世界をスキャンした結果的に、大きな町とか都市? と呼べるものは確認できなかった。つまりはこの世界には知的な生命体は居ない可能性がたかい。