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「ここには知性的な生物はいるんでしょうか?」
勇者がそんな事を聞いてくる。事前の世界スキャン……私が勝手に名付けたそれではこの世界には知的な生命体は確認出来なかった。だから多分だけどこの世界には……
『この世界には知的な生命体はいないでしょう』
私はそう答える。まあ流石に地中深く……とかにいたりしたらわかんないんだけど……でも科学的な反応はなかったからね。それに……この地上にもそんなに凶悪そうな生物は確認できなかった。もちろん自然の摂理といわれる弱肉強食は存在してる。それはどんな世界にだって起こり得ることだ。むしろそれが自然。だからそれはなにもおかしなことじゃない。
「じゃあここにはサンク……サンクチァンスはないの?」
『サンクチュアリですよリファー』
私はサラッとちゃんと訂正しておく。スルーして、間違った覚え方してはずかい思いをするのはリファーちゃんなんだよ。だから私はスルーなんてしない。それになにサンクチァンスって? どんなチャンスなんだよ。それに知的な生命体がいないからサンクチュアリがないなんてのも間違いだ。
サンクチュアリはどんな世界にだってある。でも……今や自分たちで空間移動……いや世界の移動まで実現できる私達に今までのようにサンクチュアリが必要なのか? という疑問はある。でもサンクチュアリは世界にとって大切な物……というか存在? だし、それを得ることで実はG-01のエネルギーも増えてた。
もしかしたらこうやってサンクチュアリをえていって、G-01のエネルギーをその内空獣よりも大きくする……という狙いがG-01を作った人たちにはあったのかもしれない。ソードコアとなったから飛躍的にエネルギーは増えたG-01。けど、だからってこれで空獣に勝てるのかわからない。
それに、まだソードコアの性能を私は全く引き出してない。色んな世界で色んな出来事を経験して、私ももっともっとG-01を操れるようにならないとね。
『この世界にもサンクチュアリはあります。早速探しましょう』
世界スキャンで実際この世界で大きなエネルギーを持つ存在の場所に私達はでたはずだ。これまでの世界渡りとは全く持って違う効率を実現してしまってる。これは……いままでのサンクチュアリを得る旅とは比較にならないくらいに早くこの世界の攻略は終わるかもしれない。