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『あの、なにか泳いでませんか? それは一体? というかですね……なにか感じるんですか?』


 おもったんだけど、その汚れでちょっとだけ重みが加わってたのって……その汚れで泳いでるそれのせい? それは一体ではなく、そこそこいる。隅に追い詰めたオタマジャクシみたいにバシャバシャしてるから……はっきり言ってちょっと気持ち悪いくらいである。

 そんなのが自分の腕に張り付いてる……と考えたらそれだけで鳥肌物だよ。それに私とリファーちゃんの容姿はほぼ変わらないのだ。なんか腕がムズムズしてきたよ。別に私達の容姿が瓜二つといっても、私とリファーちゃんは全く別の存在だからなにか繋がりがある……なんてことはない。

 だからこれは完全に気の所為……なんだけどね。でもやっぱりムズムズするよ。てかこれってどうやって綺麗にするんだ? 体を洗ったらきれいになる……とかいうものじゃないよね?


「ちょっとくすぐったいよ」


 やっぱりなんか感じるんだ。これが這い回ってるからくすぐったいってことだよね。ううー想像すると本当に痒くなってくる。それにこいつらなんか体を沈めたりしてるけど……どこに? きっと腕の内側……内部に入ってるわけじゃないだろう。この黒く見える部分はきっと不安定な空間のゴミな訳で、その欠片? とも言えるものがくっついてるわけで……それは言うなればあれも『空間』ではある。

 きっと不完全なんだろうけどね。でも待てよ……


『それがただの汚れで、不安定な空間なら、その内崩壊するのではないですか?』


 洗う必要ないかも……とおもった。空間というのはちょっと形を変えたら崩壊しだすくらいには繊細だ。聖杯によって空間を不安定してるのだってそれをなんの知識もなくやったらやばいことである。


 聖杯は空間を不安定にしてるけど、同時にその不安定を維持するだけの事を同時にしてくれてるから、その空間が崩れることはないのだ。ただ不安定にして放置したら、その後にどんな問題が出るかわからない。


 長い年月をかけてその不安定な場所の綻びは広がっていって、その内空間自体が崩壊する……なんてことだってあり得る。つまりはそれだけ空間は繊細なのだ。そして今リファーちゃんに付いてるのはそんな精細な空間のゴミである。あの生物? はよくわかんないが、不安定な空間、それにあれだけの小さいのはそんなに持たないはずだ。きっと今も崩壊してるだろう。


「そうだよ。いつの間にかなくなっちゃう。でも、これがあると移動しづらいよ。目的地がぶらされるっていうか?」


 リファーちゃんの言葉はちょっと分かりづらいが、感覚でいってるからだろう。だから私が知識を元に翻訳するとこうなる。


 空間は出口をちゃんと指定するのが重要だ。だってそれをしないといきなり壁とか、地中に出る可能性がある。それを回避するためも正確な出口を知る必要がある。でもこのゴミがあると、そういう出口とかが混線してわからなくなる……ということでは? だってあれゴミではあるが空間だ。感覚で空間を移動できるリファーちゃんにはあれも出口に通じる扉……に見えておかしくない。

 そんなふうに考えてみた。


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