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リファーちゃんの視界が新たに空中に増やしたモニターに表示される。その視界は私達とは実はめっちゃ違うんじゃないの? とか思ってたけど別にそんな事はなかった。でもリファーちゃんの視界はなんかキラキラとしてるような気はする。私よりも目がいいのかもしれない。いや、そもそもが私は世界をG-01のカメラ越しに見てるからね。キラキラ……なんてしようがない。
もちろんG-01のカメラはとても高性能だ。どんな暗くてもジャギジャギになったりもしないし、ズームだって思いのまま。きっとそこらの普通の生命体がその身の目で見るよりも絶対に綺麗だ。
「別にキラキラしてる以外はそこまで……」
そう思ってたらリファーちゃんが汚れてる……という腕を見てくれてそこにある汚れ……をリファーちゃんの視界越しに見ることが出来た。
「ええ……あれが……」
ちょっと私は引いてる。だってリファーちゃんは汚れ……と言ってた。だからなんか突っ込んだ腕に染みとかがついてるのかと……そう思ってたんだ。でも……リファーちゃんの腕についてる汚れ……はなんか思ってたのと違ってた。もっとはっきり言えば……なんか動いてる?
実際リファーちゃんの目ではその汚れはリファーちゃんの白い腕に黒い斑点のようにへばりついてる。それはまあいい。それは確かに汚れ……と言えるだろう。でもそれだけじゃない。その黒い斑点の中……そこにまるで体の体積の八割が口みたいなのがちっちゃな手……なのかヒレなのか……そんなのを動かしてその汚れ部分を泳いてるのだ。
私はとりあえずあの汚れの中にいる何かをG-01で調べてみた。でも……
『対象のデータはありません』
そんなメッセージか表れる。まさかG-01にもデータがないなんて……これはとてつもない新発見なのではないだろうか? 不安定な空間には汚れが起こり、そこにはなんか変な生物? なのかわかんないが、何かがいる……とね。
データがないという事は、G-01を作った世界の人たちでさえ、それを知らない……という事だろうし、とんでもない発見だと思うんだ。だってG-01の中に解答がないなんて、そんなの考えた事もなかったよ。
大体の答えはG-01の中にある……それは真理で、そして事実だった筈なのに……ここにきて崩れてしまったよ。