256
空間の汚れ……それはニュアンスでしかわからないが、どうやら私の適当な扉が原因のような気がしてる。そうはいっても、この扉のシステムはG-01の中に合ったのを丸パクリしてるからどっかの誰か、天才の作ったもののはずではあるんだけどね。
『その汚れ……というのはどうしたら直せる……綺麗にできるとかわかりますか?』
私は簡単な言葉に言い直してみた。治すとかよりも綺麗とか言うほうがわかりやすいと思ったのだ。そしてそれを聞いてリファーちゃんは「うーん」と悩む。そして実践してみせた。
「えい!」
そういって彼女は私の作った不安定な空間へと手を差し込む。空間に突っ込まれた腕は二の腕の先から見えなくなる。そして引き抜いた。別にただ見ただけではなんの変化もない。
続いて反対の腕を今度は自分の力で空間に突っ込んだリファーちゃん。そして同じようにしてもとに戻した。はっきり言って、2つの腕は別段なんの変化もない。そもそも空間に突っ込んで変な物に変質したなんてなったら、空間危険すぎるでしょ。
空間とは空間でしかなく、その座標というか、エリアというか? それでしかないわけで……でも普通は見えないし行けることがない「そこ」の裏側というか? それなら裏空間とか言ったほうがいいのだろうか?
「どうかな? こっちとこっちの違い! これだよ」
なんか自信満々にリファーちゃんが言ってるが……見た目には全く変わらいなからね。細く白い……きめ細かな肌が覆ってる女の子の腕……それにしか見えない。でも、リファーちゃんがこう言ってるって事はなにかある。
私はいろいろなセンサーを駆使してその「違い」……「異変」ともいっていいかもしれない変化を見ることに心がける。
『これは』
物理的にはやっぱり何かがあるわけはない。でもこっちの……聖杯の不安定な空間に突っ込んだ方の腕になにかの反応がある。言う馴ればなんかセンサーの通りが悪い……みたいな? それにちょっとだけ左右の腕の重量が違う?
でも誤差かも? これを空間の汚れ……というのはどうなんだうか? 誤差ともいえるし、確実な変化……とも言える。どっちとも捉えられる。
「ね、こっちの方が綺麗だよ」
そのリファーちゃんの言葉を考えたら、きっとこれは誤差ではない。もっと特殊なセンサー加えればはっきり見えるかもしれない。