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私は早速食事を終えたリファーちゃんを確保しました。だって食事が終わったらまたすぐに戦い出るだろうですからね。そんなことになったら、また戦いに夢中になるでしょう。だって私が声かけたときも……
「ええー、今日は勝とうと思ってたのに……」
そういってブーたれてた。でもこっちはこっちで大切なのだ。いつまでもここにいる事は出来ないし、そのうち別の世界にだって行きたい。だってそれをG-01が求めてる。たくさんの世界のデータを集める……そしてサンクチュアリを得る。
それはG-01と私に課せられた使命……のような気がする。強迫観念……と、までは言わないが、なんか次の世界にいかないと……と思う。勿論準備はできるかぎりするけどね。
いままでは行き当たりばったりだった。世界を渡る……というのはいつだって突然。でもここから変わる。変わる事ができるかもしれない。それにはリファーちゃんの協力は不可欠だ。
私はリファーちゃんを聖杯の前に連れてきた。
「なにこれ?」
そんな風に聖杯を見て首をかしげるリファーちゃん。循環するエネルギーの杯は変な形をしてるから仕方ない。私はとりあえずこれが外の空間との扉だよって教えてあげた。まあ実際はこれの周囲にエネルギーが溢れて、それによって聖杯の空間が不安定になってる……ということだけどね。だから聖杯の周囲の空間ならどこでも扉……になりえる。
「確かになんかウヨウヨしてる!」
うん、なんか変な表現だけど、きっと元がメタリファーだったリファーちゃんは空間の変化に敏感なんだろう。そもそもが時空間の魔法を感覚で使ってるような子だ。その鋭い感覚が聖杯の周囲の空間がおかしくなってるのに気づいたんだろう。
『ここなら簡単にこの空間の外に出れると思うのですけど? どうですか?』
「うんそうだね。でも、汚れそうだよ?」
『汚れる……ですか?』
不思議な事をまたリファーちゃんがいう。だってここにあるのは不安定な空間だ。空間とは別に体に張り付いたりしないよ? 泥水とかじゃないよ? 体に影響があるわけじゃない。でも……リファーちゃんは汚れるといった。どういうことだ?
「うん、きれいな方が……ね。繋げやすいっていうか、かえってきやすいよ」
なる……ほど? なんか何を言ってるのかわかんないが……わかるような気もする。