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「くかーくかー」
リファーちゃんは戦いに満足したら、すぐに寝ちゃった。まあまだ0歳みたいなものだ。沢山動いたら寝る。寝て起きたらお腹すいてるから、料理を作って待っておく……そしてたくさん食べたらまた運動を思いっきりして、また思いっきり寝る――というのがリファーちゃんのルーティーンだ。
やりたいことを思いっきりやって、彼女は自身の中の力と向き合ってる。だからそれは必要なことだ。
「でも今度起きたらちゃんとこっちの手伝いをしてもらわないとね」
私はリファーちゃんの寝顔を映しつつそういった。なんとまぁ間抜けな顔をしてるのか……と思っちゃう。でも可愛い。私も眠ったらこんな間抜けな顔をするのだろうか? リファーちゃんと私の顔は同じだからね。でもこんなのじゃないと思いたい。
けど私はここから出ることは出来ないからね。こうやって見るしかない。むにゃむにゃとしてるリファーちゃんのほっぺはとても柔らかそうだからぷにぷにとしたいが、私にはできない。
とりあえずミレナパウスさんが毛布を掛けておいてくれてる。実際本船の方のベッドに運んだ方が良いんだろうけど……リファーちゃんはなかなか鋭い。抱えたりすると起きちゃうだろうとそのままの場所に置いてる。
「勇者様。稽古をお願いします」
リファーちゃんは寝ちゃったけど、どうやらミレナパウスさんはまだやる気満々らしい。寧ろ普段よりも興奮してる? 最近負け越してたリファーちゃんに勝てたんだからね。この絶好調な調子を維持してものにしたいのかもしれない。
それに勇者も応える。全く好きだね二人とも。私はとりあえず外を観測する為にG-01の指を発射することにした。一応聖杯によってG-01でも空間に干渉するエネルギーを確保してるわけだからね。けど……リファーちゃんが寝てる間は動けない。正確にはG-01を丸々この空間から出す……なんてできない。
だってこの空間は移動してる。そしてまだこの空間の座標を確定してない。なので帰ってこれる保証がないからだ。リスクが高すぎる。でも指なら……指の一部なら別に返ってこれなくても問題はない。
それに指の一部を外に出してれば、ただの世界の反響よりもずっと多くの外の情報を得られる筈だ。なので私はとりあえず何時間かずっと指を空間の裂け目に放っては再生してを繰り返した。




