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聖杯の虚数エネルギーをもって、私は空間に干渉する。それによって作り出すは扉だ。けど、空間の扉は別に普通の扉のようにガチャっとドアノブがついてる……ようなものじゃない。いや、もしかしたらそういう風にできるのかもしれないけど……でもそんな機能はない。
それに今は扉……になってるわけでもない。ただ空間に干渉してるだけ……というのが今は正しい。聖杯によって虚数エネルギーを空間に当てる。空間には許容量というものがある。でも空間とは面であり、その面は実は永遠に続いてる。
空間には隔たりと言うのはない。いや、実はあるけど、その世界にあるかぎり、空間は一面でしかないから、世界の空間は大きな平面である……といえる……らしい。だから空間の全ての許容量というのは世界の受け入れられる全体の許容量ということになってしまう。
それはとても大変だ。普通は世界が持ってる許容量を超えるなんて出来ない。
「まあそれができちゃうのがG-01ではあるよね」
そう、G-01ならその世界空間の許容量を一体で超える事ができる。
「でもそんな事をする気はない。無駄だし」
世界の許容量を超える事ができるからといって、それをするのはエネルギーの無駄である。しかもそんな事をしたら世界が崩壊するかもしれない。そのリスクがある。だって世界を支えてる空間に大きな負荷をかけてるんだからね。それをやって空間全体を崩壊させたらどうなるのか……もちろんそのさきは世界の崩壊である。
だからそんな事はしない。なので先に虚数エネルギーで干渉する空間を指定するのが大切だ。一部の空間の許容量をこす……それが大切。一部ならそこまで大きな被害になることはない。
それに一回でいきなり空間を突き破る……なんてしない。まずは反応を確かめる。空間から帰ってくる反応を確かめて、解析。それによって更に続けて虚数エネルギーをぶつける。その際、最初の反応をもって虚数エネルギーの数値もいじる。それを繰り返していくと、この空間に馴染むような虚数エネルギーになる。
一部が私のエネルギーが馴染んだ虚数エネルギーに染まった空間になる。こうなるとその一部分が私の……G-01の干渉範囲になる。そう、これが空間に作る扉……である。




