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衝撃の事実――なんとこの空間は移動してるみたい。そうなると、この場所からでて戻るためにもこの場所を常に補足出来るような手段が必要だ。まあけど……それはどうにかなるとは思ってる。それは……
「ユグドラシルドライブが繋がってれば空間の補足は出来るはず」
だからここから出ても、その場所をたどる事は出来るだろう。繋がりとはそういう事。きちんとこことG-01を繋げてれば、この空間を補足は出来る。でも……
「これって多分なんだよね」
だって外に出て検証したわけじゃない。多分……そうだろう――と思ってるってだけだ。でもきっと大丈夫。この場所を座標として特定しようと思ったけど、移動してるとなるとそれは無理だよね。でもなんでこの空間は移動してるんだろう? 私は首をこてんとする。そして一つ、思い当たった。
「もしかして、空獣対策?」
リファーちゃんは空獣を倒したらしいからね。それはきっとメタリファーの時からの思いが受け継がれてると思われる。という事は、ここが空獣に襲われることだって危惧してたはずだ。なにせ空獣は世界を食べている化け物だ。だからここに来られる可能性だってある。
それを考えたから、空獣に襲われる可能性を低くするためにこの空間は移動をしてるのかもしれない。そもそもがメタリファーが作った特別な空間がここな訳だけど、更にその空間自体が移動してるんだ。
そうなると確かにそうそう空獣だってここを見つける事は出来ないような気がする。そもそもメタリファーは自身が時空間の化身だったわけで、きっと帰ることも息をするように出来たんだろう。だからこの仕様がとても厄介……そう味方にも厄介に作用するとは思ってなかったと思われる。
でも大丈夫、どうにかなる。なにせG-01には超化学の研鑽の歴史が詰まってるんだからね。
「エネルギーのつながりの確率をもっと強固に、いや、その道を確率なんて物に頼らない超の道……それは」
私は自身の頭の中を検索する。必要な物品を同時に膨大な設計図のもとに集めていく。この空間とG-01を直接的につなげる装置というか術式? というか、そんなのが必要だ。
タンクほどに大きなエネルギーが必要ではなく、それでいて術式のように私とのつながりが決定的であるものだ。でもそんなのは存在してない。だからこそ、作る必要がある。私が一から……そのための材料は、ユグドラシルシステムが再現してくれる。
「大丈夫、私にだってできる」
今まで頑張ってマニュアルを読み込んできた成果を見せるときだ。