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「この多さはやっぱりおかしい……」
私はそれほど世界の繋がり、アンファクトリーについて理解が深いわけじゃない。どういう風に『世界』が隣接してるのかって実際よくわかってない。もしかしたらマス目に世界ははまってるのかもしれないし、もっと自由に……それこそ祭りの屋台の水風船のように、アンファクトリーの海にぷかぷかと浮かんでるのかもしれない。
でもこの反応……反響の数。まるで世界は密集してるよう。そうじゃなきゃ、こんなの……考えられないよ。
どれだけ世界が反応してるのよ。なんとかG-01の超高性能な性能のおかげでどうにかなってるが、おかげでこっちは頭のリソース取られまくりだよ。でも反響する世界の周波数。それをG-01の中にあったデータと検証することで、おかしなことに気づいた。
「おかしいな……この世界とこの世界はそんなに近いわけないぞ?」
一応私はそんなに頭が良くないけど、脳の拡張を繰り返し、記憶力やらなんやらを底上げしてきたわけだ。そして私はG-01のマニュアルを詰め込むことで知識だけは積み重ねてきた。この世界のリストだって見方はわかってる。それにちゃんと必要なデータはある。
世界は無数にあるから、全てに詳細なデータがある……なんて事はない。なにせそんな風に全てに詳細なデータがあるのなら、これまで行った世界もすぐに検索してどんな世界なのか詳細を知ってるはずだ。
ここに記録されてる世界のほとんどは観測の結果の世界だ。だから座標くらいしかない。でも、世界の無数の数と位置がわかるのはそれだけで価値はある。ちゃんとアンファクトリーと世界の位置の関係性だってそれでわかるわけだからね。
どういう風に観測してるのかは……正直しらない。いや、一応やり方は書いてある。今の私と同じように特殊な電波を出してその反響とかを観測する方法。そしてもっと別の直接見るみたいな方法。
でもそれは天体観測みたいに超大きな望遠鏡を使って……とかじゃない。なにせアンファクトリーと宇宙は別物だ。そもそもが世界の外に出る……と言うことが普通は出来ない。大気圏を突っ切る……なんて事はここの世界達には通用しない。
なにせ世界は神が管理し、一つ一つを隔絶してるからだ。そして神の力と世界のルールで包んでる。アンファクトリーへと出るというのは、そんな神の力と世界のルールを突破するということだ。
ただ科学と数学の関係性でロケットを飛ばせば外に飛び出せる……というものじゃない。まあでもG-01を作った人達である。勿論だけどアンファクトリーへと進出はしてるみたいではある。
だからこの膨大な世界のデータの中にも、彼らが進出したデータはいくつもある。でも……それでも間に合わないくらいに世界は多い……と言うことだ。そしてこの観測データによると、どう考えてもあの世界とこの世界が反響する程に近いわけない……と言うのがある。




