表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1425/1481

229

 突如として苦しんでるリファーの前に立ったアイ。一体何をするのか? と思えば、アイの奴いきなりリファーの顔……というか顎を下から掬うように持ち上げて無理矢理引っ張る。そんな事をしたら痛いだろうとか思ったけど、そんなのは次の瞬間どうでもよくなった。


 だって……だって……


「んぅ……」


 何が起きたかのかというと、アイは持ち上げたリファーの顔に自身の顔を近づけていって……そしてそのままキスをした。うん……キスしてる。けど別に実はアイがリファーに恋してた……とかじゃなく、どうやらただ単に直接吐き出してる息を流し込んでるようだ。けどそもそもがアイは元が生命体だった……とかでもない。


 勇者とか魔王は元の体があった。元の体の時はちゃんとその世界で生きてたから、彼らには呼吸をする……という習慣がある。意識でも無意識でも……だ。だからこそ、ちゃんと呼吸が出来るような体になってる。

 けどアイは元からAIだったわけだ。そもそもがG-01にあった、私を補助するためのサポートAI。だからそもそもがアイこそ呼吸をする……という必要性がない。事実今までは……ね。常に呼吸をしてる……とかなかったと思う。

 要所要所で気合を入れる為に空気を入れたり吐いたりする……とかはやってたけど、あれは呼吸だったのか? と問われると疑問符が付く。まあそもそも人型だし、できない事はない……アイのボディーには肺のような器官はないが、別に空気を吸って吐くなんてそんなのなくても実は出来る。肺の機能は空気中の酸素を効率よく体内に取り込むための物であって、あれが呼吸をするためのすべてじゃない。

 だからアイだって確かに空気を送りこむ……事はできるけど……


「まさかキスをするとは」


 いや、アイの場合は別にキスに特別な何か……を抱いてるわけじゃないんだろう。ただ、必要だからやってる……みたいな? きっと目の前で苦しんでるから、介抱するためであり、救命処置のつもりなだけだ。

 でも……ね。それをあのアイが? でものこの中ならためらいなくそれをやれるのはアイしかいない気がする。勇者は異性だし、ミレナパウスさんは聖女だったし、そこらへん堅そうだ。ポニ子はポニ子だからね。助けそうでもあり、助けなさそうでもある。

 魔王がいたら、何も考えずにあいつもやりそうではある……でも魔王はいない。ならばこの場で一番動きそうなのは……まあ、アイかな? 


 最初はびっくりして暴れてたリファーちゃん。けど、アイの力は強かった。いくら暴れても唇は離れることなくて、次第に大人しくなったリファーはアイから送られてる空気に気づいたみたいだ。そうなると大人しく……大人しく……いや、めっちゃ吸ってる!?  リファーの奴アイ事めっちゃ吸いだしてるよ!?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ