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『落ち着いて呼吸を……ゆっくりと深くしてみて』


 私は落ち着いた声でそうリファーに伝える。苦し気に目を閉じてるリファーは私の言葉は届いてるようで、ゆっくりと深い息を吐いて呼吸をする事を意識しだした。けどすると……


「うっ!? けほっこほっ!?」


 なんかむせだした。なぜに? と思ってしまう。


「うう……かっかっ……」


 なんかうまく呼吸ができてないみたいだ。そもそもがここにあるのがどんな空気なのかとかよくわかってないし、それをすって大丈夫なのかもわかんない。まあさっきまでは普通に呼吸してたし、大丈夫だと思うけど……


 でも考えてみたら、きっとメタリファーは呼吸なんてしてなかった。それにリファーがやってる呼吸も普通の生物のやる呼吸とは違う可能性はある。普通はその世界の空気的なものを吸ってるのが呼吸だろう。

 やっぱり世界が違っても生き物が生きる条件ってのはそんなに変わらないからね。今までの世界でも、生物と呼べるものは呼吸してた。だからリファーだって生物なんだし、呼吸はしてるだろう。


「まだ肉体ってのに慣れてないのかも」


 それは普通に考えられる。普通に動いてたわけだけど、きっとそれはある意味で無意識だったから……だと思う。そういうことをリファーは意識してなかったんだ。それこそ体の変化とかそんなの丸ごと。

 でも今は意識をしないときちんと呼吸もできない状況だ。そこで初めて自分がどうやって呼吸をしてたのか? というのがわかんないんだ。だって以前はメタリファーという概念だったんだ。

 『体』というのをリファーはまだちゃんと把握してない。だから普通なら吸うとか吐くとか生物なら当然にできる事が難しいみたい。このままだと窒息してしまうかもしれない。どうするか? 手助けしてあげたいけど、私は今指なのだ。指一つで何ができるというのか? 酸素吸引器みたいな機能を即席でつけるか? できないわけもないような? 喉に突っ込んでいって、空気を無理やり肺に送る……ということができないわけでもない。

一本の指……といってもG-01の指だからそこそこでかいしね。顔ほどではないにしろ、太さ的には手首くらいはあるだろう。だからリファーの口には突っ込む形になるだろう。無理やり口を開かせて、突っ込んで無理やり空気を口の中に送れば、肺まで届くと思う。でも流石にそれは抵抗されそうな気もする。

 しかも今は力を使おうとしてて、その力がどういう風に発現するかわからない状況だ。となると、これ以上変に刺激するのは良くない気がする。そうなると私には難しいというか?


「リファーちゃん、スーハーですよ。スーハー」


 ミレナパウスさんがそう言って、なんとか呼吸の仕方を教えようとしてる。でも、リファーにはそんな余裕はないみたい。するとその時、アイが動き出した。

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