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「力?」
リファーはこてんと首をかしげる。元々がメタリファーだったわけだし、その内には時空間に関する力があるんじゃないか? と私は睨んでるんだけど……どうやら彼女は自覚はないみたい。でもきっとある。
実際、G-01のスキャンには大きなエネルギーがみえてる。一つの存在に内包されてるのが不思議なくらいのエネルギーだ。それが何の力なのかはわからない。だってそれは純粋な力で……特殊なエネルギーだ。世界のエネルギーは大きく七つくらいに成分? というか、質? が分かれる。それら全てに対応してるのが、G-01だ。普通はそんな事ありえない。
普通は自身が育ったようなその世界に適応することになるだろう。その一つは7つの質の内の一つになる。世界を渡ってその質が同質なら力も命も繋げれるかもしれない。でもそうじゃなかったら……とても大変なことになるというのは想像に固くないだろう。
でもそこら辺をG-01はクリアしてる。それだけでとても大きなアドバンテージ。世界を渡ることに不安がなくなるんだからね。でも……スキャンした結果、リファーのエネルギーはこの7つにも含まれないみたいだ。要は8つ目のエネルギーの質……といえる。それはとても特別だ。そして力となりえるエネルギーがちゃんとあるんだから、リファーは何らかの力を宿してるはずだ。
そしてそれはきっと『時空間』に関わってるはず。
『感じますか? その身に宿る力を』
自分の中を感じてるリファーに私はそう声を掛ける。リファーはその手を胸においてた。どうなんだろうか? ちゃんと感じれるかな? でも私でも自分の中の力を感じることばできてる。私なんて記憶では全く魔法なんてできない世界から来たようなものなのに、それができてるのだ。
リファーはそれこそ元はメタリファーで、サラブレッドと言ってもいい存在だと思う。そんなリファーならすぐにでもその力を感じるだろうって思ってる。
「あ、熱い……」
そんな事をリファーがポツリといった。すると彼女が光り始めた。それは比喩なんかじゃない。本当にリファーの体が光りだしてるんだ。そして同時にリファーが苦しみだしてる。
「だ、だいじょうぶですか?」
ミレナパウスさんが心配そうに声をかける。けどリファーはズルズルとミレナパウスさんに寄りかかりながら床に膝をついた。そして光りながら胸を抑えてる。
「ジーゼ様」
なにやらミレナパウスさんが懇願するような顔でこっちをみてる。そう言われても……ね。とりあえず私は冷静に声を掛けることにするよ。こっちが焦ったら、リファーだって余計に不安になるだろうからね。