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「いく!!」


 元気にそう返事した彼女。そろそろ名前を教えてほしいところだ。


『あなた、名前は? 自分を呼称する呼び方、わかりますか? それかなんと呼んでほしいとか? あるのなら言ってみてください』


 私は優しい口調で指越しに話しかける。なんか私の言葉は結構耳を傾けてくれるみたい。だから私が話してる。


「名前? 呼び方……」

『あなたはなんと呼んでほしの? 自分の内に聞いてみて』


 彼女はなんとなくだけどその内に使命を宿してそして空獣を毛嫌いする事ができてる。それはつまり、覚えてなくてもメタリファーだった部分は深くに残ってるのだろう。だから自分に聞いて……といってみた。彼女は目を閉じておとなしくなる。

 きっと自分自身を見つめてるんだろう。するとポツリと……彼女はこぼす。


「リファー……私はリファー」


 呟いて、そして目を開いてこっちを見てそういった。私は納得したよ。


『リファーですね。わかりました』

「リファー、リファー、リファー! 私はリファーだよ!」


 そういって一番近いミレナパウスさんにまずはそう言って、そんな彼女をかわいいと思ったのか、ミレナパウスさんは「ふふ、リファーちゃん。よろしくお願いします」――といった。そしてようやくミレナパウスさんから離れたリファーはその足でアイの下へ行く。


「リファーだよ!」

「はいはい」

「リファーだよ!!」

「わかってるわよ」

「リファーだよ!!!」


 三回目ともなると、リファーの目には涙が溜まってた。きっとアイが期待通りの反応をしてくれないからだろう。私は通信で「アイ、意地悪しない。彼女は子どもなんだから」――とたしなめる。


 すると静かに息を吐いて引きつるような笑みを浮かべてアイはこういった。


「そう……とても、いい名ね」


 口角ピクピクしてるぞ。てもそれで良かったのか、リファーは涙を引っ込めて花が咲いたような笑顔になった。良かった良かった。勇者とポニ子? 二人には問題なんてなかった。当然だ。そもそもポニ子は愛くるしいし、ポニポニしか言わないしね。

 勇者は意地悪をするようなやつじゃないし、子どもの扱いだってうまい。こいつにできない事とかあるのだろうか? ってレベルだ。

 さて、彼女もリファーと定まったし、これからの事、話し合った方が良いだろう。具体的には……


『すみませんリファー。貴方はなにか力は使えますか?』


 再びミレナパウスさんの下に戻って抱きついてるリファーに私はそう訪ねた。だってこの空間……船が積み重なってるこの場所から出るにはメタリファーの力があったほうがより確実だ。

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