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 彼女……メタリファーが生まれ直した少女は私が思ってたよりも天真爛漫らしい。


「これが体、これが感触、それにこれが匂いなんだ!」


 そんな風に彼女は一通り皆とお目通りした後に、ソワソワとしてベッドで暴れてる。まずはそのベッドのばねに負荷をかけて、ボヨンボヨンとして跳ねることを楽しんで、体を無暗に動かしてたら、ベッドから飛び落ちる。

 でもその時――


「危ない!」


 ――そういって勇者が彼女を受け止める。床に落ちる直前、下から潜ってきた腕が彼女の胸を潰して激突を防いだ。


「ふう……」


 なんとか間一髪。あのままだと彼女は顔面から床とチッスすることになってただろう。そしてそんな彼女はというと。自身を支えてる勇者の腕に面白がってまとわりついてる。そしてクンカクンカしてた。


「いい匂い。これがいい匂いって奴なんだ」

「大丈夫だったのなら、よかったです」


 ちょっと困ったような顔をしてる勇者。まあ自分の匂いを一生懸命美少女が嗅いでたら困惑もするだろう。するとふと彼女の目に動かないアイが映る。全く持って動いてないが、どうやら彼女の興味を引いたらしい。勇者から離れて、アイに近づいていく。そしてとりあえず周囲を回る。そして近づいて鼻先を近づける。クンカクンカ……と匂いを確認してる。その姿は野生動物の本能的な動きなのだろう。

 思わずそんなことをしてる。普通の人ならまずは匂いを嗅ぐ……なんてことはしないだろう。声をかけるとか、もっと知的に行動する筈だ。でも彼女には普通の生命体の……ましてや命の行動なんてのは前例がないものなのだ。

 だからとりあえず匂いを嗅いでみた。鼻先ギリギリがアイに当たらない程度の距離で、髪の所から背中、腰当たり、そして脚といって、また髪にもどってきた。そして、その髪に鼻先を……いや、顔を突っ込んでいく。


 「すーーーーーーーーーはーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」


 重いっきっり深呼吸をしてる彼女。すると……


「何やってるんですかあああああああああああああああああああ!?」


 あっ、アイの奴が流石に耐えられなくて起動した。

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