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「なんだ、来たのか? いやこれたのか」

「魔王様や、おこがましいと思っておりまする。ですが、ここの相手は我らに譲ってくれませんか?」

「お前……誰だ?」

「ジャル爺ですよ!!」

「何!?」


 魔王の奴が面食らってる。いや、ね。そうなるよ。なにせジャル爺は既に出会ったときの面影がない。いや、かなり消耗して、なんか年が俺が力を授けた時よりも食ってる気がするけど、まだまだ若い部類だろう。俺の力を得た直後が、二十代の体だとするなら、今は三十代くらいか? それでもジャル爺は元は八十くらいの高齢だった。それを考えれば、今でも十分若いだろう。いや、まさかやりきるとはね。


 流石にずっと湧き続ける砂獣にいつかはジャル爺達も限界が来ると思ってた。でもどうやらジャル爺達は粘り勝ったみたいだ。その時が来たら俺が砂獣達を一掃しようと思ってた。現地の人達がやらないと――とか言ってたけど、いやほら、行き成り世界を救うなんて出来る訳ないじゃん。今回は皆良くやった。だからあとは任せろ……的な自分の出番を想定してたんだ。けど、それを待たずして砂獣達は崩れていった。


 砂獣は倒すと全部が消えるわけじゃなく、素材が残る。それを武器や防具とかにしてるのがこの世界な訳だけど、倒してもいない砂獣達が文字通り砂の様になって崩れていった。そしてその行き先がここだ。魔王がたたずんでるこの場所。多分あいつが何かして、そして今、このジャルバジャル跡地に何かが起きようとしてる。


「何やったんだ魔王?」

「ショック療法だ」


 なるほど、絶対にろくな事じゃ無いことだけはわかった。けどどっちにしろ同じか。ここの都市核を持って帰るには、きっとここのボス的な奴を倒さないとダメだろう。なんで砂獣達がいきなり砂になったのか……それはきっとこっちに労力を割くため。大きく揺れる地面。そして砂嵐が俺達を中心に巻き起こる。視界が砂で埋め尽くされる。


「ふん、五月蠅い奴だ!!」


 そう言って魔王は砂を叩く。すると衝撃が弾けて、砂嵐を吹き飛ばす。


「凄い……」

「流石ですじゃ!」


 そんな声が聞こえる。まあ俺もそのくらい出来るから。別に魔王だけが凄いわけじゃない。とかなんとか思ってると、ボスっと砂のなから黒い腕が出てきた。


「腕?」


 誰かがそう言うのも無理はない。なにせそれはまさに人の腕だからだ。俺達は総じて化け物が出てくるんだと思ってた。そしてそれはきっとスケールがでかいはずだって決めつけていた。でも、見える腕は成人男性くらいの太く逞しい腕だ。でもそれって……これまでの砂獣に比べたらとても小さい。そして次は頭、体……足と全身が出てくる。それは黒い硬質な皮膚に覆われた俺達と同じ形をした何か。

 砂獣と言えるのか? わからないが、その旨には赤く光る宝石の様な物があった。あれがきっと……都市核! 

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