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空獣……どこからやってきたのか、どうやって発生したのかも……それにいつから存在してるのかもわからない化け物。色々と考察はある。G-01には空獣の研究の跡が残されてる。
でも結論はない。けどわかってる事はある。一つ、空獣はとても強い。とてもとても強い。簡単に世界を壊す事ができるほどの強さだ。空獣に狙われて無事だった世界は……ない。
いや、よく考えたらあった。一つだけ……そう、それは勇者と魔王の世界だ。あの世界は、あの後空獣が戻ってきてないのではあればあの勇者と魔王の世界は無事なはず。
あまりその影響とか考えてなかったが、これは世界的にはものすごいことだったのかも? 新たな可能性を開いたといってもいい。実際なんであんな事ができたのか……それこそ魂やら命やら……すべてを賭けたからかもしれない。
でも実際あの頃のG-01の性能プラス私の全てをベッドしたとしても、空獣に通じるか? と今なら思う。本当に奇跡が起こったとしか思えない。それかもう空獣の気分? それくらいしか考えられないよ。
そんな空獣が全ての運命を蹂躙する……はっきり言ってそれはこの今まさに生まれようとしてるメタリファーだけじゃないと思う。いろんな世界……その全ての命に言えることなのかもしれない。
実際どれくらい世界が有るのかなんて全く持ってわからない。G-01の中にあるデータにも膨大な数……としかないからね。きっと全ての世界を把握する……なんてのは不可能なんだろう。
でも空獣ならば、その全ての世界を喰らい尽くしてもおかしくない。だからきっと運命がそこで終わりを告げるんだろう。
聞こえてくるその言葉を理解する事はできないが……でも、彼の研究の成果、そして命として生まれようとしてるメタリファーには心なるものが生かけてるのかもしれない。言葉を理解できなくても、伝わるものはある。
全てが空獣に収束していく運命……そしてどこか悲しみと憤り……さらに言えば訴えかけてくるようなその勢い? それだけあれば私だって気づくよ。
そう……メタリファーはきっと……
「君は空獣が許せないの?」
そう感じた。世界を壊して……壊して……壊し尽くす空獣という害獣。メタリファーは時空間で過去も未来も全てを見てきたのかもしれない。それで許せなくなった? それともやっぱり世界が時空間には必要とか? そこら辺わからない……でもきっとメタリファーが空獣をどうにかしたいと想ってるのは本当で……そして本気なんだろう。
だからこうやって生まれようとしてる。でも問題はある。それはどの運命も空獣に勝ててないということだ。




