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 何かがみえる……私の頭に叩きつけられるように。それは……喝采の中で祝福される姿、大海原でなぜか眼帯しつつ沢山の船を率いてる姿、未知の領域、そんな場所を踏破する姿、まるでゴミムシのように、自分の最後を哀れに思う姿……強大な何かに立ち向かう姿、もっと別のなにか……もっと別の私……別の世界の……私がみえる。


 きっとこれがあったかもしれない運命なのかもしれない。どこかにはあるのかもしれない。でも、分離する運命には限りがあって、存在できる平衡世界には限度がある。だからあったかもしれないが、今ここに私が存在してる限り、そんな未来はない。運命はない。


 大体見える運命は、かなりきつそうなものばかりだった。もっと苦しくて、そして辛いものもいっぱいだ。きっと運命は……メタリファーが新たに生まれとしたら、こんな劇的な運命がふさわしいと思ってるんだろう。


 それだけの格がきっとあるから。そこには栄光とかももちろんある。もしも運命を選べるのなら、この中にある悲惨な死……その運命は御免こうむりたいと思うけどね。なんのつもりでこの死の運命たちはやってきてるの? なんの意味があるの? それを知りたいところだ。だってわざわざそれを選ぶとか……ないじゃん? どうせなら幸福……それが欲しいと思うのはどんな命も一緒の筈。


「あぐっ……はぁはぁ……」


 ジャブジャブ……と水が揺れる。いつもは足位しか使ってないが、今はあばら位までつかってた。目もなんか霞む。見えてるのはいつものコクピット内の光景? それとも……運命の見せる……結末? 


「ぅぅぅぅきゃあああ!?」


 思わず体が後ろに向かって沿った。私の細く、華奢な体がくの字に反った。そしその態勢のまま、私は手の甲を額につけてパチパチと瞬きを来る返す。その度に私の視界に映る物……それはある一定の運命から同じになった。それは何か……それは……


「メタリファー……貴方まさか……」


 体がのけぞる程の運命……そして同じ結末にたどり着く運命……それらには全て『空獣』が関係してる。運命が見せる結末、それらには全て空獣が関係してて、それらはどんな運命にも食い込んできてる? 最初に見た栄光の光景……様様な運命……それらが全て……今や空獣による最後……で埋め尽くされていくような……


 それはもう、逃れられない事実であるかのような……そんな事になってる。運命は絶対じゃない。それはそのはずなんだけど……空獣は世界を食らってる。なら空獣をどうにかしない限り、どんな運命も奴に台無しにされる……という事じゃないのかな?

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