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「押し寄せてる運命を知る……とか出来ないかな?」
それも重要なことじゃないだろうか? 実際まだメタリファーの望むことはわかんないが、なんかそんなに劇的な事は望んでないような? そんな気がする。でもきっとメタリファーという存在が得る命の格? といっていいのかわかんないが、それはきっと普通の命よりも高いと思うんだ。
命に優劣はないのかも知れないが、だってメタリファーは普通じゃない。じゃあ普通の命にはなりはしないだろう。そしてそんな普通じゃない命に、普通の運命がふさわしいのか? って運命側だっておもうのではないだろうか?
運命に思考能力なんてないとおもうけどね。けどどうやってその運命を見るのか……運命にはもちろんだけど姿とか形があるわけじゃない。でも生まれようとしてるの魂があるのだから、ここにあるのは確実なわけで……
「色々と……守ってるだけじゃダメなのかもね」
私はそんなことをふと呟く。はっきり言って今のメタリファーも……そして運命も……めにみえるものじゃない。感じるにしても、それは色々と保険を張ってるし、更に私の安全の為にきっとG-01は様々な保険をかけてる。
なにせ私はきっとここ……この場所でしか生きられないからだ。私はもしかしたら自分が思うよりももっと脆弱なのかもしれない。だからこうやって色んな器具とテクノロジーによって介護されてるのかも。
そんな私を守るために、G-01の最優先事項は「私」へと設定してある。私も知らない防護機構が色々とある。でもこのユアの卵の状況をもっと知るためにも……観測し得ない、魂に影響をする運命を感じるためにも、私もこの「魂」をさらけ出さないといけないのかも。
もしかしたらG-01のテクノロジーの中にも魂の観測を可能にするものがある可能性はある。でも今は持ってない。今必要だけど、それが今はない……なんてのは人生の中でなら結構あることだよね。
実際、運命が押し寄せてるといってもそれだけで、何か外的攻撃がくることはきっとないと思ってる。
「けど私だからな……」
私の魂……きっとそんな頑丈じゃないような? でもこれもメタリファーを無事に新たに生まれ直させるため。私は一旦、G-01のシステムをスリープモードに移行させる。