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「〇×〇×〇×〇×〇×〇×〇×〇×〇×〇×〇×〇×〇×〇×〇×〇×〇×」
何が頭に打ち付けられてるような……そんなことが起こってた。G-01がユアの卵を掴んでしまって、私は「うわ、ヤバッ」――とかおもってすぐに手を放そうとした。でもそれは今も変わってない。だってすぐに頭にこの変な声? なのか意思なのか……わからないものが叩きつけられてるからだ。
声のような……意思のような……でも私にはそれを理解することばできない。これがユアの卵から流れて来てるのだとしたら、いやそれしかあんまり考えられないが……これはきっとメタリファーが何かを私に仕掛けてる……と思った方がいいだろう。
うん……そのはず……そうとしか考え……
「頭が……グチャグチャする……」
はっきり言って頭に直接雑音が混じるような感覚のせいでとても思考がこんがらがってしまう。考えようとしても、頭に常に変な音というか? 思考というか? それが混じるんだよ? はっきり言って邪魔すぎるし、それが余計に私の頭のリソースも使ってるのか、どんどん頭が熱くなってる気がする。
きっとメタリファーは何かを伝えるか……何かしようとしてるんだと思う。こっちだってメタリファーをちゃんと生ませたい……と思ってる。メタリファーだって自身が望んで彼にこのユアの卵を作ってもらったわけなんだから当然メタリファーも生まれたい筈だ。
私達は同じ意思を共有してる。いや、共有……はしてないね。どっちもその意思を持ってるが、同じ目的を持ってる。でも共有はしてない。どっちの意思もぶつかってるといっていい。私もそしてメタリファーも生まれたいし、生まれてほしいとおもってるが、どっちの意思もぶつかり合ってるというか?
きっとメタリファーもどうにかして生まれようとしてる。それが私や周囲に影響を与えてる。そのせいで私の思考能力は著しくおちてる。それだと私も手助けできない。どっちにとってもプラスにならない状態だ。私の拡張を繰り返した脳の思考能力を落とすなんて相当な事をやってくる。
きっとメタリファーに自覚はないんだろうけど……このままじゃ……
「たすけ……たいんだよ……通じて……」
私はなんとかそれをメタリファーへと伝えようとする。ただ言葉を伝える……しかできないけど……だって今の私は思考能力がおちてる。ただ普通に伝えたって、メタリファーには通じない可能性の方が高い。でも今は……それしかできない。だって私の脳は著しくその性能を落としてるのからだ。
普通ならここでどうにもできなくなる……のかもしれない。でも私は一人じゃない。仲間……というか私と一心同体の存在。G-01がその機能を開放してくれる。