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 実際彼はお亡くなりになってるわけだけど、何歳に死んだかはしらない。普通に一生を想像したけど、その一生の長さが私が思ってる『普通』とは違うと今気づいた。

 でも体の悪い部分を取り換えるくらいの医療があるのならずっと生きられそうな気もするが……でも本当の『彼』はもういないんだよね。不思議である。だって死の原因なんて大体体が限界を迎えて……とかだろう。心が潰されて……のもあるかもしれないが……全体で見たら……ね。そんなに多くはないとおもう。


 でも実際、誰も魂の寿命とかは言わない。圧倒的にそれが摩耗するよりも、早くに体が限界を迎えるからだろう。でももしかしたら、体のパーツを取り換えることが気軽にできるようになったら、今度は魂の限界が取り坐されたりするのかもしれない。そんなことを思った。


 でも今はそんな彼の享年とか魂の寿命とか……そんなことじゃなかった。今はそんなことを考えてるんじゃなく、問題はユアの卵が動作停止してる原因である。運命のぶつかり、でも可能性分離には限界がある。

 世界は無限大に可能性を受け入れてるわけじゃない。平衡世界もあるけど、それも増え続ける訳じゃない。でもまっさらな……メタリファーという特殊な存在が命として降り立つとなるとその命の格の影響上沢山の運命が押し寄せてしまってる……ということだ。だからそれの道を絞る必要がある……と私達は考えてる。

 でもそれは他人が勝手にできる事……じゃないよね。なにせ運命だ。いや運命というのは彼らの世界的には正しくないのかもしれない。でもやっぱり私には運命が馴染みあるからね。

 あこがれもあるが、それに縛られるのは嫌って気持ちもある。そんな相反する気持ちが現れるのが『運命』だ。そしてその運命に干渉ってのは普通は出来ない。今も実際そうだと思う。魂を私は感じることは出来ないし、今のG-01のセンサーだって魂は感知できない。だから直接魂をどうにかする……なんて事はできない。

 でもこの……彼の記憶……その中にはメタリファーと接触した記憶があるはずだ。メタリファーは超常の存在だ。どうやらメタリファーは彼らの世界では『神』よりも謎の存在みたいだ。私だって一回神と接触したしね。


 ならば世界を股にかけることができるようになってる彼の世界が神と接触できないわけはない。そんな彼らだから『神』はもう当然の存在として定義されてるみたいだ。

 でもメタリファーは違う。まあ神は普通に話せる相手だ。でも、メタリファーはそうでもない。メタリファーは会話とかできないしね。簡単に会えるような存在でもない。

 概念的な存在だったから、観測はしてたけど彼の世界でもメタリファーが存在してるのは確信が持ててなかった。そんなメタリファーの想い。それが彼の記憶の中にあることを願うしかない。


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