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『可能性分離……という言葉を知ってるか?』


 唐突に彼はそういった。可能性分離? さあ……である。いったいなんのことやら……けどそこは私。いやG-01としては下手に「さあ」なんて言えるはずもない。なのでここは沈黙だ。そしたらきっとアイか勇者かミレナパウスさんが反応するだろう。

 下手にイメージを壊さないためにも、沈黙というのは有効な手段なのだ。一応G-01で検索はかけてみるけどね。すると案外すぐにでてきた。けど長ったらしいぞ。ようやくするとなにこれ? なんかαの世界を軸にα1 α2 α3がどうたらこうたら……と書いてある。

 説明ならもっと馬鹿にもわかる様にしてほしいな。いやG-01に説明の簡略化機能がほしい。


「それは選択の数だけ、可能性は分離していくという考えでしょうか?」


 アイがそういった。簡単に言ってくれて助かる。なるほど、それならわかる。「あれを選んどけばよかった」――とかいうことね。でももう別の選択肢を自分は取ってるわけで……もどることはできない。

 でも……だ。でも、「それを選んだ可能性」はあるわけで、それを取った筈の世界もまたある……とか? 彼はアイの言葉に頷いた。魂がどうとかだった筈なのに、今度は可能性? なんのことやらである。でも今は運命がユアの卵に集まってしまってるって話だしね。その運命を選ぶ可能性と選ばなかった可能性はどっちもある……とかいう話? 


『可能性とは無限にある。そう思われてるだろう。それに辿らなかった選択の世界。そういうもしもの世界は次元を超えて平行世界に存在してる……と思ってないか?』


 なるほど、そういう事ね。可能性分離とは可能性が分離していくことで出来る無数の世界の事か。まあこの場合の世界はそこに行けるわけじゃないと思うけど……ようは私達は自分自身で選択をし続けるしかないが、それをしなかった成果も実は平衡世界では存在してる……とかいうSFチックなあれね。


『だが可能性分離は否定されてる』

「そうなのですか?」


 思わず口を出したのはミレナパウスさんだ。彼女はきっと可能性の数だけある世界に思いをはせたんだろう。だからそれが否定されてる……という言葉を聞いたことでちょっとがっくり来たんだと思う。

 私も実はちょっとがっくりした。外には出さないけどね。だって一つの夢が……否定されたんだよ? それはちょっと残念じゃん。



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