表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1380/1575

184

 別に虫に対して私は気持ち悪い……とかは思わない。まあなんか足がめっちゃあってうねうねしてるとか、変な動きをしてるとかだと気持ち悪いとも思うけど、あのコガネムシは虫だけどカサカサするわけでもないからね。

 むしろめっちゃ綺麗である。それに虫の大きさじゃないよね。一メートルは虫にしてはでかい。いや、最近はミレナパウスさんの世界にいたから、それに比べたら虫でも小さいか。

 あの世界での砂獣は虫形態のアリが一番多かったしね。アリなんて普通は2・3センチくらいじゃないだろうか? それがミレナパウスさんの世界では砂獣のアリは3メートルはあった。それに比べたら一メートルまだかわいいかもしれない。

 それにメタリファーと比べたら人間と普通の虫サイズではある。比率的にね。てかあのコガネムシは何のために? まさか食べるとか? そんな事を思ってると、もっと予想外の事が起きた。

 それはメタリファーに近づいたコガネムシがいきなり爆散したからだ。……いや違うね。よく見るとどうやらコガネムシは爆散したというよりも分裂した? そのキラキラと輝く体をメタリファーの周囲に展開させてる。


『さあ、これが君に適合させたユアの卵だ』


 そんな事を彼が言う。すると展開してた分裂したコガネムシの破片がメタリファーのへとくっつく。勿論数十メートルのメタリファーと一メートルくらいのコガネムシではそのサイズ感が全く違うから、コガネムシの破片がくっついたとしても全然足りない。当然だよね? でも頭と肩、そして腰にくっついたコガネムシのキラキラのパーツ。

 するとドクンドクンときこえてきて、メタリファーの体も光に包まれる。そしてカッ――と一際強く光ったと思ったらそこには不思議な物体が残った。フヨフヨの半透明な液体が球体を維持しようと浮かんでる。そしてその中心にさっきのコガネムシの体と同じ色をした完全な球体がある。


 つまりはフヨフヨな液体? みたいなもので守られるようにした中にコアみたいな球体があるというイメージだ。


『これは……なんですか?』

 

 私は彼にそう問いかける。だってわかんないからね。メタリファーがこれになったのはわかる。でも……なんで?


『時空間を操るメタリファーとの契約だ。そして俺の興味でもあった。概念的な……だが確かにいる存在。魂でも、意志もないが、現れた個。その解明はどれだけ心が躍るだろうか? だから取引をした。奴の望みと、俺の研究欲が上手くはまったんだ』


 何をいいたいのかよくわかんないが、どうやら彼にとってメタリファーはとても興味深い研究対象だったという事だろう。だからメタリファーの提案を飲んだ。


『それでこれはなんですか?』


 つまりはそこだ。この人は……何を成しえたの? どの世界よりも進んだG-01を作った世界で、そこでなお天才と呼ばれた彼。そんな彼がなしえたこれは一体何?


『メタリファーは新たな存在としての証明を求めてた。だが、メタリファーはそもそもが概念的な存在であってそこに魂も何もあるわけじゃない。だがないのなら作ればいいじゃないか。新たな魂と生命の創造、ユアの卵は魂を構築するための新たな概念を作っている』


 うん……何言ってるのかわかんないや。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ