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「人権……ですか?」

『ああ、人権とは人らしく暮らす権利の事だな』


 いや、知ってるけど。まあ私が知ってる『人権』とG-01を作った世界の『人権』が同じかはわからない。でも聞いた限りでは同じっぽい。人としての権利を認める――ということが人権だろう。まさか世界が変わってもそれを聞くとは……


「でも、私普通の生命じゃないですよね?」


 そうだ。人権は確かに大切だ。でもそれって試験管ベビーとかにも適用されるの? そこら辺が色々と問題だったような気がするぞ。でも彼が言うにはどうやら私にも人権は認められてるみたい? だからこそ、私は私の意思で行動出来てるわけだからね。

 つまりはかなりそういう意識が進んでた……ということか。


『俺の世界ではそういうのはうるさかったからな。人権だけじゃない様々な命に対する保障や保護を主張する奴らはおおかった。そのせいでどれだけ科学の発展を邪魔されたか……』


 なんか個人的に彼には恨みがあるみたいだ。確かに科学の発展と、そういう権利というのは衝突するというのは歴史が証明してるよね。非人道的な行いをなくすために権利を公にする……という目的もあるしね。

 けど何もできなくなると科学の発展とかは阻害されたりする……というのが科学者とか技術者からする主張なんだろう。まあだからって非人道的なのはダメだとは思う。


「私もあなたの世界に行くと一人の人間として扱われるってことですか?」

『残ってればそうなるな』


 残ってれば……ね。でもよかった。いつか世界を渡ってればその内G-01や私自身を作った世界へもいけるかもしれない……とは思ってた。その時、ただのG-01のパーツみたいに扱われるのは嫌だなって思ってたんだ。

 少なくとも私には人権があるようだし、パーツとしては扱われないだろう。


『さて、全ては順調に引き継がれた。いい機体だ』

「もちろん、私のですから」


 なんかG-01を褒められたら自分の事のようにうれしい。けどどうやら彼がそういったのには他の理由もあるみたいだ。


『彼女の意思が残ってる』


 そういえば彼が想ってた彼女は機械的な発展を支えてたような天才だった。ならば……確かにG-01の方には彼女の作り上げた技術が多く使われてる可能性はある。


『ソードコアの注意事項はある程度渡しておいた。理論もそっちの奴が受け取っただろう。あとは……君たちが検証してほしい。なにせ上手く行ったのは初めてだからな。これは歴史に残ることに違いない』

「長年の研究の成果……とかですか?」


 私は満足そうな彼を観てそう聞いた。けど……彼は首を振るう。


『俺の専門はこっちではない。だが……それら全てを託す。その相手が来てくれてよかった。やはり俺の判断に間違いはない。そしてこれこそが、俺の研究の集大成だ』


 そういうと、何やら響くアラーム。外の映像を見ると、ここにきて一切姿を現さなかったメタリファーの姿がこの船の外にあるらしい情報が入ってきた。そして彼はいう。


『約束を果たすときだ』


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