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『つまりこのユグドラシルは別の進化を遂げた『ユア・ユグドラシル』と呼べるものなのだ。ユアには五つの意味が込められてて――』

「それでは今のこちらのユグドラシルとは接続は困難でしょうか?」

『君はまだユグドラシルの本質を理解してないようだな』

「本質? ですか?」

『ああ、我々が何を目指してこのコアシステムを開発したか。どういう思想と理念を掲げたか……複数の俺に匹敵するくらいの天才たちが未来を見据えて開発したのがユグドラシルだぞ』

「私はそれに付随されたAIです。ユグドラシルシステムの仕様は全て理解しています。その情報は入ってますので」

『仕様か。確かにそれは君の方が詳しいだろう。流石にこの短時間でユア・ユグドラシルと君たちのユグドラシルの差異を完璧に把握するのは難しい。だが、元はそれほど変わらない筈』

「それでは互換性は保ってあるということですか?」

『いや、寄せればいいだけだ。それがユグドラシルの柔軟性だ。こちらのユア・ユグドラシルとそちらのユグドラシルでお互いに寄せる』

「そんなことが?」

『できる!』


 なにやら楽しそうだなー……と私は二人のやり取りを華麗にスルーしてた。いやだって長いんだもん。ここら辺はいいが、寧ろここまで来るのにどれだけ話し込んでるだよっていうね。それまでまさにコアな技術的な事を言いまくってるからこっちからしたら、チンプンカンプンだよ。

 ようやくそろそろ私の出番かな? みたいな感じで用意をしておく。そろそろ声かかかるだろう。なにせ、今はアイは完全にG-01とは切り離してるからね。勝手に戻ることもできない状況である以上、私に声をかけるしかないのだ。


「あ、でも今は私はユグドラシルとは……」

『操作権限がないか。問題ない。繋がりがあれば十分だ。相互反応を使う』

「なるほど……その手が」

(え? なに?)


 あれれ? 私は? 私は? G-01を操ってる本懐がここにいますよ? するとなんか――


 ゴウウウウウウウウウン


 ――と今まで聞いたことない音がG-01の内部に響きだす。それに……だ。なんかモニターに知らない文字が浮かぶし。え? これ大丈夫な奴だよね? てか私を通しなさいよ。

 まあ会話に入らないようにしてたのは私なんだけど……でもさまさか私を通さなくてG-01を……いやユグドラシルシステムをどうにかできるなんて……そんなの反則だよ!?

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